2023年モデルのGalaxy Watch6と外見上はほぼ変わらないGalaxy Watch7だが、健康管理やアクティビティトラッキング機能において、着実な進化を遂げている。このAndroid対応のスマートウォッチは、プレミアムモデルとして豊富なセンサーと人工知能(AI)のサポートを提供し、特にフィットネスや睡眠のモニタリングでその力を発揮する。

しかし、デザインの変化が少ない中で、ユーザーにとってその違いを感じ取ることができるのかがポイントとなる。

定番のデザインと新たな機能

Galaxy Watch7のデザインは、前モデルとほとんど同じ外観を保っている。アルミニウム製のケースに円形のAMOLEDディスプレイを採用し、右側には物理的な2つのボタンが配置されている。この一貫したデザインは、使い勝手を重視するユーザーにとって魅力的であり、特に触覚的な操作が可能なインタラクティブなデジタルベゼルは健在である。

一方で、内部のセンサーやソフトウェアには着実なアップデートが施されている。BioActiveセンサーの強化により、心拍数や運動データの精度が向上し、特にフィットネス愛好者には嬉しい機能だ。また、SamsungのスマートアシスタントであるBixbyやGoogleアシスタントとの連携も可能で、ユーザーの利便性をさらに高めている。デザインは変わらなくとも、使い心地や操作感に新しい風が吹いている。

このように、Galaxy Watch7は見た目の刷新はないものの、実用性と性能面で進化を遂げている。

健康・アクティビティのトラッキング能力向上

Galaxy Watch7は、健康管理とフィットネストラッキングに特化したデバイスとしての強みを発揮している。搭載された新しいBioActiveセンサーは、心拍数や体組成、さらには血中酸素濃度までを正確にモニタリングできるようになっており、特に高強度のトレーニング中でも安定したデータを提供する。

さらに、ウォッチのAI機能がトラッキングの精度をさらに高めている。特に、サイクリングやランニングの際には心拍数ゾーンや持久力の測定が可能となり、トレーニング効果を可視化できるのが大きな魅力だ。トレーニング内容に応じて、100種類以上のワークアウトモードが自動的に検知され、Samsung Healthアプリと同期することで詳細な分析が可能である。

また、睡眠トラッキング機能も充実しており、睡眠の質やいびきの検出、血中酸素の低下などを記録。これにより、ユーザーはより健康的な生活を目指すことができる。

パフォーマンスとバッテリーの課題

Galaxy Watch7は性能面では優れた進化を遂げているものの、バッテリーの持続時間には改善の余地がある。新しいExynos W1000プロセッサは前モデルと比べて30%の効率化が図られているが、実際の使用感ではバッテリー寿命は1日程度であり、これが多くのユーザーにとっての不満点となっている。

特に、Galaxy Watch7は睡眠時のトラッキングに優れているため、夜間にも装着したいユーザーが多い。しかし、充電が頻繁に必要であることから、どのタイミングで充電するべきかという問題が生じる。さらに、逆充電がSamsungのスマートフォンでサポートされなくなり、専用の充電器が必要になることも不便さを助長している。

それにもかかわらず、パフォーマンス自体はスムーズであり、アプリの操作や画面の切り替えは快適だ。AIを活用した健康管理機能も豊富で、日々の活動に応じた「エネルギースコア」などがユーザーに提供される。

買うべきか、旧モデルと比較

Galaxy Watch7は、特にAndroidユーザー、さらに言えばSamsungユーザーにとっては有力な選択肢である。しかし、昨年発売されたGalaxy Watch6をすでに所有している場合、買い替えの必要性は少し疑問が残る。デザインの変化がほとんどなく、Galaxy AIの多くの機能が後のソフトウェアアップデートで旧モデルにも追加される予定であるためだ。

それでも、新規ユーザーや初めてスマートウォッチを購入する人にとっては、洗練されたデザインと精度の高い健康トラッキング機能が大きな魅力となる。特に、$299という価格設定は、機能面で優れている一方で、高価なGalaxy Watch Ultraの購入を検討しているユーザーにとってもリーズナブルな代替手段となる。

総じて、初めてのスマートウォッチとしては非常に優れた選択肢だが、旧モデルからのアップグレードは慎重に検討すべきだろう。