10月に中国で発表されたOnePlus 13が、Googleの「デバイスを探す」機能において、Pixelシリーズ専用とされていたオフラインでの位置特定機能をサポートする可能性が報じられた。Android AuthorityのMishaal Rahman氏によると、OxygenOS 15のベータ版でこの機能の対応が示唆され、Snapdragon 8 Elite搭載のOnePlus 13にはこの技術的要件を満たすハードウェアが備わっているという。
Pixel 8では、電源がオフになってからも数時間にわたり位置情報を報告できるとされ、Qualcommの最新SoCが同様の技術をサポートすることで、OnePlusの次世代デバイスでも利用可能になる可能性が出てきた。ただし、現時点でOnePlusがこの機能を公式に発表していないことから、将来のアップデートでの実装が期待されている。
オフラインでも位置特定を可能にするSnapdragon 8 Eliteの役割
最新のSnapdragon 8 Eliteが搭載されたOnePlus 13は、Googleのオフライン「デバイスを探す」機能に対応するための重要な技術基盤を持つ。Qualcommが提供するこのSoCには、高度な接続技術であるFastConnect 7900が含まれており、デバイスが電源オフ状態でも位置情報を報告できる要件を満たすとされている。
この技術は既にPixel 8で活用され、端末が完全にオフでも数時間にわたって追跡可能であることが証明されたが、Android Centralの報告では、このSoCがOnePlus 13にも適用される可能性が高いとされる。
この技術が普及すれば、デバイスの紛失や盗難時の回収率が向上するだろう。一方で、常に位置情報が追跡されることについてはプライバシーの懸念も生じる可能性がある。Googleがオフライン追跡機能の説明を公開している一方、他のOEMも同様の機能を採用することで、追跡技術の進化とそれに伴うセキュリティの課題が浮き彫りになるだろう。
OnePlus 12が持たなかったオフライン追跡機能の理由とは
OnePlus 13以前のモデルであるOnePlus 12は、オフラインでの追跡機能がサポートされていなかったが、その理由はハードウェアにある。OnePlus 12が採用していたSnapdragon 8 Gen 3では、Googleの「デバイスを探す」ネットワークを完全に活用するためのハードウェアが不足していた。
OnePlusの公式声明によれば、8650プラットフォームを基にしたこのモデルにはオフライン再発見のための接続機能が制限されており、これが次世代モデルとの差異を生む要因であった。
OnePlusがオフライン再発見機能の開発に取り組む中で、同社がSnapdragon 8 Eliteの搭載に踏み切った背景には、技術的な進化への対応が挙げられる。特に、オフライン状態での位置特定は他社との競争力を高める可能性があるため、OnePlusがこの機能を導入することで今後の市場シェア拡大に影響することも考えられる。
Pixel限定機能が他のメーカーへ広がる可能性
GoogleのPixelシリーズは、オフライン状態で位置情報を追跡する独自機能を持っており、この技術はPixel 8やPixel 9にのみ採用されている。Pixel独自のハードウェアとされたこの技術が、OnePlusの次世代フラッグシップにも搭載される可能性があることは、他のメーカーがこの分野での競争に参入する兆候ともいえる。
Googleが提供するFind My Deviceネットワークは、Pixelデバイスが電源オフ後も数時間にわたって位置特定できるため、同機能を備えたスマートフォンは紛失リスクの軽減に寄与するだろう。
Pixelシリーズのように、他社のAndroidデバイスでもこの機能が普及すれば、ユーザーの安心感が増す一方、他メーカーの技術的課題やコスト増加も避けられない。Qualcommの新SoCがオフライン再発見の技術基盤を広く提供することで、今後のAndroidスマートフォン全体のセキュリティ標準が高まることが期待されるが、機能の実装はメーカーに依存するため、その普及の見通しは今後の市場動向に左右されるだろう。