Googleの最新イヤホン「Pixel Buds Pro 2」が市場に登場し、AppleのAirPods Pro 2に挑戦する存在として注目を集めている。新たに搭載されたTensor A1チップによるパフォーマンス強化により、優れた音質と効果的なノイズキャンセリングを実現している。
デザインは初代よりコンパクトで洗練され、数百万の耳データに基づき快適性も向上。しかし、Pixel Buds専用アプリはまだ完成度が低く、UIの使い勝手やファームウェアの更新に課題が残る。また、空間オーディオの利用に制限がある点も残念だが、Googleは今後のアップデートで改善を期待しているとされる。
バッテリー持ちはANCオンで約8時間、ANCオフで13時間と持続性も十分であり、価格を考慮すると多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となるだろう。
快適性を追求したデザインとエルゴノミクスの進化
GoogleはPixel Buds Pro 2のデザインを、数百万の耳データを基に最適化し、以前のモデルよりもさらに洗練された形状へと進化させた。これにより、イヤホンが耳にぴったりとフィットし、長時間の使用でも快適な装着感が得られる。イヤホンのスリムなデザインや小さなウイングチップは、耳内での安定性を高めるための工夫であるが、これが実際の使用においても外れにくさに貢献している。
また、ツートンカラーで仕上げられたPixel Buds Pro 2は見た目の高級感も追求しており、特に内側の黒いプラスチックが美観を引き立てる。しかしながら、このプラスチック部分は指紋がつきやすいという実用性の欠点もある。
さらに、充電ケースの滑りやすさについては、Absolute Geeksも指摘しており、実際に手から滑り落ちやすい点は改善の余地があると感じる。Googleはデザインにこだわりを見せつつも、こうした細部の使い勝手においてはまだ課題が残るだろう。
専用アプリの使い勝手とソフトウェアの課題
Pixel Buds Pro 2には、専用のPixel Budsアプリが提供され、ANC(アクティブノイズキャンセリング)、タッチジェスチャー、EQ設定、空間オーディオなど多彩な機能を管理できるようになっている。しかし、このアプリの操作性はまだ未完成といえ、特にインターフェースの反応速度や直感的な操作性には改善の余地がある。
例えば、ANCモードのオン・オフがシンプルな切り替えに留まっており、ユーザーが好みに応じて細かく調整できない点が不満として挙げられる。
さらに、EQプリセットの表示も曖昧であり、設定が「高音域」などと抽象的に表記されるだけで周波数に関する詳細な情報がなく、音の微調整が難しい。このアプリの改善に関しては、Absolute Geeksがレビューで指摘したように、今後のファームウェア更新でUIの精度と操作性の向上が期待されている。Googleは最新技術を駆使したハードウェアを提供しつつも、ソフトウェア面での完成度向上が課題である。
音質とノイズキャンセリングのバランスを検証する
Pixel Buds Pro 2の音質面での向上も見逃せない。搭載された11mmのダイナミックドライバーと、音速の90倍の速さで動作するというTensor A1チップにより、クリアで豊かなサウンドが楽しめるとされている。実際、低音域から中音域、高音域までバランスよく表現され、特にボーカルや楽器が鮮明に再生される点は注目に値する。
低音の効きもタイトで、音にメリハリが生まれているが、ヘビーベースを求めるリスナーにはやや物足りなさも感じられるかもしれない。
また、ANC機能に関しては、AirPods Pro 2にまだ劣るものの、騒音の多い環境でのノイズ抑制力は十分に優秀であり、静寂の中で音楽に没頭する体験を提供している。Googleが追求するANC技術は、今後のソフトウェア更新によりさらなる進化が期待されており、特にAppleとの差を縮めるための改善が望まれる。
音質とノイズキャンセリングの両面で強化を図るGoogleの姿勢には、オーディオファンに向けた次世代イヤホンとしての可能性が見える。