OPPOはMediaTek Dimensity 8350を搭載した世界初のAndroidタブレット、Pad 3を発表した。この新型チップセットは4nmプロセス技術を採用し、パフォーマンスと省電力性能を兼ね備えたオクタコア構成を持つ。また、最大12GBのRAMと512GBのストレージ、2800 x 2000の解像度を誇る2.8Kディスプレイを備え、144Hzのリフレッシュレートや7:5のアスペクト比といった最新のビジュアル体験を提供する。

さらに9510mAhの大容量バッテリーと67W SuperVOOC急速充電により、長時間の利用が可能である点も魅力的だ。価格は約290ドルからと手頃でありながら、金属製の薄型デザインやスタイラス対応といったプレミアムな仕様を実現している。ゲーミングにも対応した本モデルは、多機能タブレットを求めるユーザーに新たな選択肢を提供すると見られる。

MediaTek Dimensity 8350の性能を支える最新アーキテクチャ

MediaTek Dimensity 8350は、4nmプロセス技術を採用し、オクタコア構成の中核にはCortex-A715とA510コアを組み合わせている。この構成により、重い作業にも対応可能な高性能と、省電力を両立する設計となっている。特に3.35GHzのCortex-A715コアは、複雑なタスクを迅速に処理し、スムーズなユーザー体験を提供する。

また、MediaTekの独自技術であるStarSpeedエンジンを搭載し、ゲーミング時の消費電力を最大24%削減する点が注目されている。これにより、高グラフィックゲームでも長時間のプレイが可能である。この技術の導入は、電力効率の向上を求める現代のデバイス設計において革新的といえるだろう。

一方で、こうした高性能チップセットの恩恵はゲーム用途に留まらない。日常のマルチタスク処理やビデオ編集などのプロユースにも対応できる可能性を示唆している。Dimensity 8350の登場は、単なるタブレット用チップ以上の価値を持つと考えられる。

2.8Kディスプレイが生み出す新たな映像体験

OPPO Pad 3に搭載された11.61インチの2.8Kディスプレイは、2800 x 2000の高解像度を持つだけでなく、144Hzのリフレッシュレートを実現している。このスペックにより、画面のスクロールやゲームプレイ、動画再生において非常に滑らかな体験を提供する。さらに最大700ニットの輝度は、屋外環境でも視認性を確保する重要な要素となっている。

加えて、このディスプレイは7:5のアスペクト比を採用しており、一般的な16:9比率のデバイスよりも視覚的に広がりを感じさせる。この設計は、ドキュメント閲覧やデザイン作業など、特定の用途において特に効果的である。

紙のような質感を提供するスタイラス対応も含め、物理的な紙とペンの代替としての価値を大きく高めている。これらの特徴により、Pad 3のディスプレイはエンターテインメントと生産性の両面で新たな基準を打ち立てたといえるだろう。

価格と設計が示すOPPOの市場戦略

OPPO Pad 3は8GB RAMと128GBストレージモデルがCNY 2,099(約290ドル)という価格設定から始まる。このコストパフォーマンスの高さは、多くのユーザー層に訴求するものだ。加えて、6.29mmの薄型デザインや536グラムという軽量設計は、携帯性を重視したいユーザーにとって魅力的なポイントとなる。

金属製バックパネルを採用したプレミアムな外観と、Android 15ベースのColorOS 15によるスムーズな操作性は、価格帯を超えた満足感を提供する。特に、OPPO初のAndroid 15搭載タブレットという点は、ブランドの技術力を示す象徴ともいえる。

この価格帯でのスタイラス対応や67WのSuperVOOC急速充電の搭載は、競合製品との差別化に成功している。OPPOがPad 3を通じて目指すのは、高性能と手頃な価格の両立であり、これによりタブレット市場で新たなポジションを確立する狙いがあると考えられる。