Samsungの最新フラッグシップ「Galaxy S25 Ultra」が発表されました。毎年、スマートフォンの進化はハードウェアが中心となることが多いですが、今回のS25 Ultraでは、ソフトウェアの進化がより注目を集めています。特に「One UI 7」では、アイコンやウィジェットのデザインが刷新され、操作性やカスタマイズ性が向上しました。
さらに、新機能「Now Bar」や「Now Brief」により、より直感的な情報管理が可能に。一方で、AI機能の方向性には課題もあり、Google GeminiとGalaxy AIの共存がユーザーの混乱を招く可能性が指摘されています。Samsungは、AI機能の一部を将来的に有料化する可能性も示唆しており、利便性とコストのバランスが問われることになりそうです。
今回のGalaxy S25 Ultraは、デザインの洗練や新機能の追加によって、ソフトウェアの重要性を改めて示しました。果たしてこの進化がユーザーにとってどれほどの価値を持つのか、実際の使用感とともに詳しく見ていきましょう。
One UI 7の新機能は日常の操作をどう変えるのか
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Samsungの最新OS「One UI 7」は、デザインだけでなく実用性にも大きな進化をもたらしました。特に注目すべきは、「Now Bar」と「Now Brief」の導入による利便性の向上です。
「Now Bar」はロック画面下部に配置され、ワンタップで音楽の再生、タイマー、ナビゲーションといった機能に即座にアクセスできる仕組みになっています。これにより、画面を何度もスワイプしたり、複数のアプリを開く必要がなくなり、シンプルで直感的な操作が可能になりました。
一方、「Now Brief」は、天気予報やスケジュールの概要を一目で確認できる機能です。AIが利用者の生活習慣を学習し、最適な情報を自動的にまとめてくれるため、スマートフォンを開くたびに必要な情報が効率的に得られます。
しかし、現時点ではサードパーティ製アプリとの連携が限定的で、例えばGoogleカレンダーとの完全な同期はまだ実現していません。そのため、より幅広いアプリとの統合が進めば、さらに実用性が増すと考えられます。
また、UIの視認性にも改良が加えられています。新しいアイコンデザインはより統一感のある配色となり、ダークモード時には暗めの色調に自動調整される仕様です。さらに、アプリアイコンのサイズ変更や通知表示の整理も可能になり、カスタマイズの自由度が向上しました。
これらの変更により、従来のSamsungスマートフォンにあった「情報の多さによる煩雑さ」が軽減され、よりスマートな操作性が実現されています。
Galaxy AIとGoogle Geminiの併存はユーザーにとって利便性か混乱か
One UI 7では、AI機能が大きく強化されました。しかし、その中でも特に議論を呼んでいるのが、Samsung独自の「Galaxy AI」とGoogleの「Gemini」の共存です。これまでSamsungのスマートフォンには、Googleアシスタントが標準搭載されていましたが、今回のアップデートでGoogle Geminiが新たに導入され、AIアシスタントの選択肢が増えました。
一見すると、これは利便性の向上に思えますが、実際にはユーザーがどちらのAIを活用すべきか迷う要因になっています。
例えば、テキストの要約や翻訳を行いたい場合、Galaxy AIとGoogle Geminiのどちらを使用すべきかが分かりにくい場面があります。SamsungのGalaxy AIはオフラインでの処理が可能なため、プライバシー面での利点がありますが、Google Geminiはオンラインでの高度な情報処理を得意としているため、より詳細な回答を提供できる可能性があります。
こうした違いが明確にユーザーに伝わっていないため、混乱を招いていると言えるでしょう。
さらに、SamsungはAI機能の一部を将来的に有料化する可能性を示唆しています。現時点では、「Galaxy AI機能は2025年末まで無料で提供される」と発表されていますが、それ以降は一部の機能が有料となるかもしれません。もしも「Now Brief」や「Circle to Search」などの便利な機能が有料化される場合、AIの利用価値とコストのバランスが重要なポイントとなりそうです。
今後、SamsungがどのようにGalaxy AIとGoogle Geminiの使い分けを明確にし、ユーザーが直感的に活用できるようにするのかが鍵となります。また、AI機能の有料化に関する詳細な発表が待たれるところです。
Source:TechRadar