Googleは、Pixel Watch向けにWear OS 5.1のアップデートを開始しました。この新バージョンでは、Pixel Watch 3に「脈拍喪失検出」機能が追加され、心拍が停止した際に自動で緊急通報が行われる仕組みが導入されました。これは既に一部の国で提供されていましたが、米国では2024年2月にFDAの認可を取得し、今回のアップデートで正式に利用可能となりました。

また、Fitbitアプリとの連携による月経管理機能の強化や、Pixel Watch 2向けの自動就寝モードの改良も実施されています。さらに、歩数カウントのアルゴリズムがアップデートされ、カートやベビーカーを押しながらでも正確に歩数が記録されるようになりました。メディア再生コントロールの新機能も追加され、より直感的な操作が可能になっています。

Pixel Watch 3に「脈拍喪失検出」機能が追加 その仕組みとは?

Googleは、Pixel Watch 3向けに「脈拍喪失検出(Loss of Pulse Detection)」機能を導入しました。この機能は、心拍が一定時間以上検出されない場合に、スマートウォッチが異常を認識し、緊急通報を行う仕組みです。さらに、周囲の人にも音や振動で警告を発するため、迅速な対応を促すことができます。

この機能は、2024年のPixel Watch 3発売時に発表されていましたが、米国ではFDA(米国食品医薬品局)の認可を待っていました。2024年2月に正式な承認を取得し、今回のWear OS 5.1のアップデートで利用可能になりました。すでに英国など一部の国では提供されており、米国でも医療機器として認められたことで、より多くの人が安心して使用できるようになります。

現時点では、この機能はPixel Watch 3専用ですが、Googleは他のモデルへの展開についても検討しているとされています。ただし、ハードウェアの制約やセンサーの仕様によって、Pixel Watch 1や2への搭載が難しい可能性もあります。一方で、2025年に登場すると噂される「Pixel Watch 4」には、この機能が標準搭載されることが期待されています。

Wear OS 5.1で歩数カウント精度が向上 どんなシーンで活躍する?

Wear OS 5.1では、Pixel Watch全モデルの歩数カウントアルゴリズムが大幅に改良されました。特に、買い物カートを押しながら歩いている場合や、車椅子を使用している場合、さらにはベビーカーを押しながらの移動など、従来のセンサーでは正確に測定できなかった動作でも、歩数がより正しくカウントされるようになりました。

この改善は、Googleがフィットネスデータの正確性を向上させる取り組みの一環です。特に、日常的にウォーキングをする人にとっては、どんな状況でも正確な歩数が記録されることは大きなメリットとなります。例えば、これまでは手を振らずに歩いていると正しくカウントされないことがありましたが、新しいアルゴリズムでは手の動きに頼らず、より正確に歩数を測定できるようになっています。

また、歩数カウントの精度向上は、健康管理の観点からも重要です。スマートウォッチを利用する多くの人が歩数データを運動量の目安にしているため、より正確な記録が取れることで、日々の活動量を適切に把握しやすくなります。さらに、GoogleのFitbitアプリと組み合わせることで、歩数データと心拍数データを連携させ、より詳細な健康管理が可能になります。

次のアップデートは2025年6月 Googleの狙いとは?

Googleは、今回のWear OS 5.1の配信に続き、2025年6月に次の大規模アップデートを予定しています。詳細な内容はまだ発表されていませんが、これまでの流れから考えると、健康管理機能のさらなる強化や、GoogleのAI技術を活用した新機能が追加される可能性があります。

近年、スマートウォッチの進化は健康管理機能の向上に重点を置いています。Pixel Watch 3に追加された「脈拍喪失検出」もその一例ですが、将来的にはより高度な健康モニタリング機能が搭載されることが予想されます。例えば、不整脈の自動検出や、ストレスレベルのリアルタイム分析など、AIを活用した健康サポート機能が強化されるかもしれません。

また、Googleはスマートウォッチ市場でのシェア拡大を狙っており、今後のアップデートでは、他のWear OS搭載デバイスにも影響を与える改良が加えられる可能性があります。特に、バッテリー効率の向上や、Googleアシスタントとの連携強化など、より快適な使い心地を提供する機能が追加されることに期待が高まります。2025年のアップデートがどのような変化をもたらすのか、今後の発表が注目されます。

Source:TechRadar