Googleのビジュアル検索機能「Circle to Search」が、これまでのPixelやGalaxyといった限定的な端末から、他のAndroidスマートフォンにも拡大する見通しだ。中国のTecno社の折りたたみ端末「Phantom V Fold 2」での対応が明らかにされ、今後はOnePlusやOppo、Xiaomi、Motorolaといった他メーカーの端末でも利用可能になる可能性が高い。

Googleは2024年末までに、2億台以上の端末でCircle to Searchを利用可能にすることを目指しており、今回の対応拡大はその一環といえる。この機能は、画面上の任意の対象を検索できるGoogle Lensの新しいインターフェースで、画像だけでなく音楽の検索機能も追加されている。

Circle to Searchとは何か

Circle to Searchは、Googleが開発したビジュアル検索機能で、画面上に表示されたあらゆるオブジェクトを対象に検索を行うことができるツールである。もともとはPixelシリーズやSamsungのGalaxyシリーズに搭載されていた機能であり、画面上のアイテムを丸で囲む、またはタップするだけで、関連情報やショッピングオプションを瞬時に検索することが可能となっている。

この機能はGoogle Lensの進化版とも言える存在で、単に画像認識するだけでなく、よりスムーズに、より広範囲にわたって使用できる点が特徴だ。ランプシェードや植物、人物の写真など、画面に表示されているものなら何でも検索対象となり、情報収集が簡単に行える。最新のアップデートでは、周囲で再生されている音楽や端末内の音楽の検索機能も追加され、利用シーンがさらに広がっている。

このツールは、スマートフォンのホームボタンやナビゲーションバーの長押しで起動するため、ユーザーにとって使いやすく、日常的なリサーチツールとしての価値を高めている。Googleは今後も機能の改良と拡充を進め、Circle to SearchをあらゆるAndroid端末で標準装備することを目指している。

新たに対応するスマートフォンメーカー

Circle to Searchは、これまでGoogle PixelとSamsung Galaxyシリーズに限定されていたが、今後はさらに多くのAndroid端末に対応する予定である。中国のスマートフォンメーカーTecnoが発表した新しい折りたたみ端末「Phantom V Fold 2」での対応が先行事例となり、他のメーカーも追随する可能性が高い。具体的には、OnePlus、Oppo、Xiaomi、Motorolaといった主要なAndroidスマートフォンメーカーがこの機能を自社製品に組み込む準備を進めているとされる。

GoogleのCircle to Searchの拡張は、PixelやGalaxy以外のユーザーにとっても大きなメリットとなる。これにより、ビジュアル検索の利便性がさらに多くのユーザーに広がり、日常生活の中で瞬時に情報を得る手段として定着していくことが期待される。また、メーカー側にとっても、この機能の搭載は製品の付加価値を高めるための重要なポイントとなるだろう。

Googleは公式には他メーカーでの対応を発表していないが、今回のTecnoの事例がその先駆けとなることは間違いない。今後の展開次第では、さらなるメーカー参入が見込まれ、Android全体でのビジュアル検索技術の普及が加速する見通しである。

Googleの目標と今後の展開

Googleは、Circle to Searchを年内に少なくとも2億台の端末に普及させることを目標としている。この野心的な目標を達成するために、今回の他メーカーへの機能拡張が重要な役割を果たすと見られる。これまでの限定的な配布から脱却し、より広範囲のAndroidユーザーにリーチすることで、ビジュアル検索の市場をさらに拡大する戦略である。

また、Googleはこの機能を単なる検索ツールにとどまらせず、継続的なアップデートを通じて新しい機能を追加する方針だ。たとえば、今後はAR(拡張現実)との連携によるインタラクティブな検索体験の提供や、より精度の高いオブジェクト認識の実現などが検討されている。このような進化により、Circle to Searchは日常のあらゆるシーンで活用される万能ツールとしての地位を確立していくことだろう。

今後の展開次第では、Circle to Searchが他のGoogle製品やサービスと連携し、さらなる利便性向上が期待される。たとえば、GoogleマップやGoogleショッピングとの連動により、視覚情報から直接買い物やナビゲーションが可能になるなど、ユーザー体験の革新が進むことが予想される。

機能の進化と利用方法

Circle to Searchの最大の魅力は、その直感的な操作性と柔軟な検索機能にある。スマートフォンのホームボタンやナビゲーションバーを長押しするだけで起動し、画面上のオブジェクトを簡単に検索対象として指定できる。丸で囲む、タップする、あるいは自由に描くといった多様な操作が可能で、ユーザーの意図に応じた使い方ができる点が大きな特徴だ。

さらに、最新のアップデートでは音楽の検索機能も追加され、スマートフォン内や周囲で再生されている楽曲を識別して検索することができるようになった。これにより、ビジュアルに限らず音声を含めた多角的な情報検索が可能となり、ユーザーの利用シーンが一段と広がっている。Googleは今後も新機能の追加を続け、ユーザーのニーズに応じた進化を続けると予想される。

この機能の導入により、単なる情報検索から購買行動までをシームレスにつなぐことが可能となり、日常生活のあらゆる場面で役立つツールとなっている。Googleの目指すスマート検索体験の未来は、Circle to Searchのさらなる進化と普及によって形作られていくことだろう。