Googleは、AIを活用した会議の自動要約機能「Take notes for me」をGoogle Meetに導入している。この機能は、会議の内容をリアルタイムで要約し、後から確認できるドキュメントとして保存するというものだ。現在はウェブ版のみで利用可能だが、スマートフォン版のリリースが間近に迫っている。

Google Meetの「Take notes for me」機能の概要

Google Meetは、オンライン会議をより円滑に進行させるためのさまざまなツールを提供しているが、2023年8月には新機能「Take notes for me」が登場した。この機能は、Googleの生成AIを活用し、会議内容を自動的に要約するというものだ。会議中の重要なポイントをAIがまとめ、後で確認できる形式で保存されるため、参加者は手動でメモを取る必要がなくなる。

この要約は、会議後に確認するためのドキュメントとしてGoogleドライブに保存され、関連するカレンダーの招待にも添付される。さらに、会議に参加している他のメンバーとドキュメントを共有できるため、同じ組織内のチームメンバー全員が内容を簡単に把握できる。手軽に会議の内容を振り返ることができる点が大きなメリットである。

「Take notes for me」は、特に長時間の会議や重要なディスカッションを記録する場面で非常に有用だ。会議の進行に集中できるだけでなく、欠席者や再確認が必要なメンバーも簡単に会議の内容を確認することが可能である。

AIが会議を要約、英語限定での提供

「Take notes for me」はAIが自動的に会議内容を要約する機能だが、現在は英語のみの対応である。この機能は、会議で話された内容をテキスト化し、要約だけでなく、全ての発言の書き起こしも提供するため、会議後に発言内容が曖昧になることがない。Googleの生成AI「Gemini」を利用し、高度な自然言語処理によって要点が簡潔に整理される。

要約と共に、会議のすべての発言が正確に記録されるため、後から具体的な発言を確認する必要がある場合にも便利だ。会議が進行している間、参加者には「Geminiがメモを取っています」という通知が送られ、メモが自動で生成されていることがわかる仕組みになっている。

ただし、この機能は現時点では英語に限定されており、他の言語対応はまだ発表されていない。今後、利用可能な言語が増えることで、より多くのユーザーにとって利用しやすくなると期待されている。

スマートフォン版の実装が間近に迫る

「Take notes for me」は当初、Google Meetのウェブ版でのみ利用可能だった。しかし、最新のGmailアプリのコード解析によれば、この機能がAndroidスマートフォン向けにも提供される見通しである。これは、ウェブ版で提供されている「Take notes for me」の機能とほぼ同様で、会議の内容をAIが自動で要約し、Googleドライブに保存する仕組みである。

さらに、カレンダーの招待に関連付けられ、招待されたゲストとも共有される機能も備わっている。この機能がスマートフォンでも利用可能になることで、外出先でも会議内容を記録し、後から見返すことが容易になるだろう。ウェブ版と同様に、要約だけでなく、会議の全発言もテキストとして記録されるため、抜け漏れのない会議記録がスマートフォン上で管理できる。

ただし、この機能が実際にスマートフォンに導入されるまでには、いくつかの調整が必要であると見られており、正式なリリースまでには若干の時間がかかる可能性がある。

機能の利用制限と今後の展開

「Take notes for me」は非常に便利な機能であるが、すべてのGoogle Workspaceユーザーが利用できるわけではない。この機能は、Google Workspaceの一部の高機能プラン、例えばGemini EnterpriseやGemini Education Premiumなどのプランに限定されている。また、AIを活用するには、AI Meetings & Messagingアドオンを追加購入する必要があるため、個人や中小規模の組織では利用が難しい場合がある。

このため、利用できるユーザー層は限られているが、大企業や教育機関など、頻繁に会議が行われる場では特に有効なツールとなるだろう。さらに、現時点では英語のみの対応となっているが、今後は他の言語への対応が進む可能性もあり、そうなればより幅広いユーザー層が利用できるようになるだろう。

Googleは、今後もこの機能の拡充を図っていくと見られており、より多機能な会議支援ツールとして進化していくことが期待されている。