Samsung Galaxy S24 FEに搭載されたExynos 2400eのベンチマークテスト結果が公開された。
このチップは、フルスペックのExynos 2400と比較してわずかな差しかなく、特に多コア性能での強さが際立っている。
さらに、価格帯で競合するiPhone 16 PlusともGPU性能で比較され、期待以上の結果を示している。

Exynos 2400eとフルスペック版Exynos 2400の違い

Samsung Galaxy S24 FEに搭載されたExynos 2400eは、フルスペック版のExynos 2400と微妙な違いがある。最大の違いはクロック速度で、Exynos 2400eのプライムCortex-X4コアは最大3.1GHzで動作するのに対し、フルスペック版は3.2GHzに達する。これにより、アプリの起動などの短時間のタスクにおいてわずかなパフォーマンスの違いが生じる。

一方で、その他のCPU構成は共通しており、Cortex-A720コアが複数含まれる。具体的には、2つのCortex-A720コアが2.90GHz、3つが2.59GHzで動作し、Cortex-A520コアも4つ搭載され、1.96GHzで駆動する。この構成は両チップに共通しており、持続的なパフォーマンスに大きな差異はない。クロック速度の差は短期的な負荷には影響するが、長期的なパフォーマンスや電力消費にはそれほど顕著に現れない。

また、GPUクロックに関する詳細は明らかにされていないが、Samsungはこの点にも大きな改良を加えている可能性が高い。Exynos 2400eは、コスト削減を図りつつも、高性能を維持することを目的としたチップセットである。

Geekbenchテストでの多コア性能比較

Geekbenchのテスト結果によると、Galaxy S24 FEに搭載されたExynos 2400eは多コア性能で非常に強力な競争力を示している。10コアのCPU構成を持ち、1つのCortex-X4コア、5つのCortex-A720コア、そして2つのCortex-A520コアの組み合わせにより、多コアテストで安定したスコアを記録している。

フルスペックのExynos 2400を搭載したGalaxy S24+との比較でも、その差はごくわずかであり、実際の使用においてはほとんど気づかない程度である。この結果は、わずかにクロック速度が低い2400eでも、十分なパフォーマンスを発揮することを示している。また、昨年モデルのGalaxy S23 FEと比較すると、約70%の性能向上が見られ、最新技術の進化が実感できる。

さらに、競合機種であるXiaomi 14T Proは、4つのCortex-X4コアを搭載しているものの、2400eとのパフォーマンス差は僅差である。Samsungはコストパフォーマンスを重視しつつも、他社製品に対抗できるだけの性能を維持している点が注目に値する。

GPU性能:Apple A18との比較

Samsung Galaxy S24 FEのGPUであるXclipse 940は、AMDのRDNA 3アーキテクチャを採用しており、そのパフォーマンスは非常に高い。特に、昨年のGalaxy S23 FEに搭載されていたGPUと比較すると、明らかに優れており、現行モデルの中でも競争力が高いことがわかる。

AppleのiPhone 16 Plusに搭載されているA18チップとの比較では、特にレイトレーシングのテストであるSolar Bayテストにおいて、Galaxy S24 FEは23%の差をつけて勝利している。これは、Xclipse 940がハードウェアによるレイトレーシングのサポートを備えていることが大きな要因であり、Apple A18チップのGPUを凌駕する性能を見せている。

一方、Apple A18はWild Life Extremeテストでは4%の差でS24 FEを上回っているが、この差は非常に小さく、実際のゲームプレイなどで大きな違いを感じることは少ないだろう。総じて、Exynos 2400eのGPUはコストパフォーマンスの面でも非常に優れた選択肢であることが明らかになった。

コストパフォーマンスと電力効率の期待

Samsung Galaxy S24 FEは、$650という価格で提供されるが、そのパフォーマンスは上位モデルと比較しても遜色ない。特に、Exynos 2400eはフルスペックの2400に対して90%から95%の性能を発揮しながらも、価格面では大きな差を見せている。S24 FEの8GB/128GBモデルは$650で、これに対してS24の同スペックモデルは$800、S24+の12GB/256GBモデルは$1,000である。

また、S24 FEは4,700mAhのバッテリーを搭載しているが、上位モデルのS24+が4,900mAhバッテリーを搭載していることから、電力効率にも注目が集まっている。クロック速度が若干抑えられていることで、消費電力が抑えられる可能性があり、持続的な使用時間において優位性が見込まれる。

さらに、S23 FEと比較して冷却システムも改善されており、ベイパーチャンバーが10%大きくなっている点も興味深い。これにより、長時間の使用でも安定したパフォーマンスを期待できるだろう。