XiaomiのMix Flipは、同社初となる折りたたみ型スマートフォンで、SamsungのGalaxy Z Flip 6に挑む存在である。この新しいモデルは、折りたたみ式スマホ市場でのXiaomiの進出を象徴するもので、特にデザインとバッテリー性能で注目を集めている。しかし、IP認証の欠如や過熱問題など、いくつかの弱点も浮き彫りになっている。
価格と機能面での競争力を持ちながらも、Samsungの優位に立つことができるかが注目される点だ。
Xiaomi初の折りたたみスマホ、Mix Flipの概要
Xiaomiが初めて市場に投入した折りたたみ型スマートフォン「Mix Flip」は、折りたたみ式クラムシェルデザインを採用し、Samsung Galaxy Z Flip 6と直接競合する製品である。このスマートフォンは2024年9月に発表され、512GBのストレージと12GBのRAMを搭載した単一構成で販売されている。
Mix Flipは、特にその価格設定において競争力があり、€1,299という価格で提供されている。この価格は、直接のライバルであるSamsung Galaxy Z Flip 6よりも安価であり、性能面でも優れたバランスを持っているが、一部の地域では正式な流通が行われていない点が注意点だ。
Xiaomiの折りたたみスマホとしては初の試みだが、Mix Flipはその画面の大きさやデザイン、そしてバッテリー性能で市場の注目を集めている。特に、4インチのカバー画面と6.86インチの内部ディスプレイの両方が高輝度を誇り、非常に使いやすいと評価されている。
デザインとディスプレイの評価
Xiaomi Mix Flipは、アルミフレームとマットガラスの背面を持ち、クラムシェルタイプのデザインが特徴である。カバー画面は4インチ、内部ディスプレイは6.86インチのOLEDパネルを採用しており、どちらも120Hzのリフレッシュレートを実現している。この2つのディスプレイの高輝度は、最大3,000ニットに達し、どんな環境でも視認性が高い。
しかし、IP認証がない点は大きな欠点であり、Galaxy Z Flip 6が防水防塵性能を備えているのに対し、Mix Flipは水や埃に対して脆弱である。また、ガラス部分には特別な保護が施されていないため、日常的な使用でも傷がつきやすいという懸念がある。
デザイン面では、手に持った際の感触が良く、折りたたんだ状態でも持ちやすい形状をしている。ヒンジ部分の耐久性も優れており、任意の角度で固定することが可能で、他社の製品に劣らない仕様となっている。全体的に高級感のある仕上がりだが、指紋が付きやすいというデメリットもある。
性能とカメラの実力
Xiaomi Mix Flipは、最新のSnapdragon 8 Gen 3プロセッサを搭載し、12GBのRAMと512GBのUFS 4.0ストレージを組み合わせている。この構成は、ハイエンドなスマートフォンとして非常に強力なものであり、特にゲームやマルチタスクにおいてその性能を発揮する。
しかし、負荷がかかる処理を行う際には、過熱問題が指摘されており、特に3D Markのストレステストでは途中で端末がシャットダウンしてしまうという報告がある。この問題は、クラムシェル型のデザインが原因であり、熱の拡散が不十分であることが理由だ。
カメラについては、50MPのメインレンズと望遠レンズを搭載しており、特に日中の撮影においては非常に高い画質を誇る。ポートレートモードも充実しており、背景のぼかし効果や深度調整が可能で、ユーザーに多くの選択肢を提供している。ただし、超広角レンズがない点や、セルフィーカメラの画質が平均的であることは残念なポイントである。
バッテリー寿命と充電機能の比較
Xiaomi Mix Flipは、4,780mAhのバッテリーを搭載し、67Wの高速充電に対応している。特にバッテリー寿命は非常に優れており、PC Markのバッテリーテストでは15時間32分という高いスコアを記録している。これは、Galaxy Z Flip 6よりも長持ちする結果であり、日常的な使用においても高い耐久性を示す。
充電速度に関しても非常に優れており、0%から100%まで約52分で充電が完了する。特に20分で50%以上の充電が可能であるため、急速に充電を完了させることができる点は大きな利点である。しかし、Galaxy Z Flip 6が対応しているワイヤレス充電には非対応である点は惜しいところである。
また、充電器が同梱されている点は他社製品と比較しても高く評価されるべきポイントである。ワイヤレス充電が必要ないユーザーにとっては、十分に満足できる充電性能を持つ端末であると言える。