Samsungが提供した最新のSmartThingsフレームワークアップデートにより、Galaxy S10シリーズのデバイスで深刻なブートループ問題が発生した。影響を受けた端末は再起動を繰り返す状態となり、一部のユーザーは工場出荷状態へのリセットを余儀なくされている。Samsungはこの問題を早期に認識し、修正パッチをリリースしたが、被害を受けたユーザーにとっては依然としてデータ損失のリスクが残る。

Samsungのアップデートが引き起こした問題とは?

2023年10月2日、SamsungがリリースしたSmartThingsフレームワークのアップデートが、一部のGalaxy S10シリーズユーザーに深刻な問題をもたらした。問題のアップデートバージョン「v2.2.02.1」をインストールしたユーザーは、端末がブートループと呼ばれる状態に陥り、再起動を繰り返すようになった。この現象は、スマートフォンの正常な起動を妨げ、利用が不可能な状態にしてしまうものである。

特に、このアップデートはS10シリーズだけでなく、他の古いデバイスにも影響を及ぼしており、Galaxy Note 10シリーズやGalaxy A90なども同様の症状が報告されている。ユーザーは、端末の工場出荷状態に戻すリセット操作を行わなければ解決できない状況に追い込まれているが、データ損失のリスクが伴うため、非常に厄介な問題となっている。

この問題が発生した後、Redditやサムスンコミュニティで多数の報告が上がり、数時間のうちに問題が広範囲に広がったことが確認された。被害を受けたユーザーは、一刻も早く解決策を求め、混乱が続いている。

対象となったGalaxyデバイスのリスト

今回のブートループ問題は、Galaxy S10シリーズを中心に発生したが、他にも複数のデバイスが影響を受けている。まず、Galaxy S10 5GやS10e、S10 Liteなど、S10シリーズの全モデルが問題の対象となっている。また、Galaxy Note 10、Note 10 Plus、Note 10 5GといったNoteシリーズも同様に、アップデートによるブートループが確認されている。

さらに、S10シリーズやNoteシリーズに加え、Galaxy M51やA90など、より廉価モデルの一部ユーザーからも同様の問題が報告されている。これにより、今回の問題は単なるS10シリーズに限らず、幅広いモデルに影響が及んでいることが明らかになった。

Samsungが問題のあるアップデートをリリースした後、世界中のユーザーが同様の不具合に直面しており、報告は瞬く間に広がっている。多くのユーザーは、端末のリセットやSamsungサポートセンターへの依頼を検討しているが、いずれもデータ損失のリスクを伴うため、根本的な解決策が待たれている。

Samsungの対応と修正パッチの詳細

Samsungは問題を認識し、すぐに対応に動いた。問題のアップデート「v2.2.02.1」は即座に配信停止され、新しいバージョン「v2.2.03.1」がリリースされた。この新しいバージョンは、問題を修正したものであり、さらなるデバイスへの被害拡大を防ぐことが目的である。ただし、このパッチが問題発生後にリリースされたため、既にブートループに陥った端末には効果がなく、影響を受けたユーザーには別途対処が必要である。

Samsungは、影響を受けたユーザーに対して、リセットを試みるか、最寄りのサポートセンターで修理を受けるよう呼びかけている。しかし、サポートセンターでどのような対応が可能なのかは明示されておらず、実際にはリセットによるデータ損失の可能性が高い。また、今後のアップデートに関しても慎重な対応を推奨している。

Redditでは、次回のアップデートに備えて、Galaxy Storeの自動更新機能を無効化する方法が共有されている。このようなユーザーの自衛手段もまた、被害を拡大させないための重要な対策であるといえる。

影響を受けたユーザーへの推奨アクション

影響を受けたユーザーは、まずブートループから端末を復旧させるために、リカバリーモードを使用した工場出荷状態へのリセットを試みる必要がある。この操作はデバイスを完全に初期化するため、バックアップが取れていない場合はデータが失われるリスクが高い。そのため、事前にデバイスのバックアップを行っていないユーザーは注意が必要である。

リセット以外の解決策として、Samsungのサービスセンターに持ち込む方法も推奨されているが、これが確実な解決策になるかは不明である。また、今後のアップデートを防ぐため、設定から自動更新を無効にする手順を踏むことが推奨されている。この設定により、不要なアップデートによるリスクを最小限に抑えることができる。

さらに、今回の問題を教訓に、定期的なバックアップを行うことが改めて重要視されている。デバイスの故障や不具合に備え、Googleドライブやクラウドサービスを活用したバックアップは、今後のリスク軽減につながる重要な対策である。