Google Pixel Watch 3とGarmin Venu 3は、どちらも優れたスマートウォッチだが、それぞれの特徴が異なるため、選択は難しい。特に、Pixel Watch 3はAndroid向けのスマート機能が豊富で、Garmin Venu 3は優れたバッテリー寿命とアクティビティトラッキングを提供する。本記事では、デザイン、バッテリー、機能性を中心に両モデルを比較し、どちらが自分に最適かを見極める。

デザインとディスプレイの違い

Google Pixel Watch 3とGarmin Venu 3のデザインは、どちらもユーザーの好みや使用状況によって評価が分かれる。Pixel Watch 3は、モダンでミニマルなデザインが特徴で、ドーム型のディスプレイと薄型のプロファイルを備え、高級感がある。特に、今回から41mmと45mmの2サイズ展開になり、手首のサイズに合わせて選べるようになった点は評価される。

一方、Garmin Venu 3も41mmと45mmのサイズが用意されており、デザイン的にはシンプルさを保ちながらも、耐久性の高いポリマー素材を採用している点が特徴である。このため、Pixel Watch 3に比べて素材面での高級感はやや劣るものの、アウトドアやスポーツ用途での頑丈さを重視するユーザーには魅力的である。

ディスプレイの質に関しては、Pixel Watch 3がより高輝度で滑らかな60Hzのリフレッシュレートを持つAMOLEDディスプレイを採用しているため、視認性や操作性においてやや優位に立つ。しかし、Garmin Venu 3もAMOLEDディスプレイを搭載しており、屋外でも十分な視認性を発揮するため、日常使用では大きな差は感じられない。

バッテリー性能:長時間使用に強いのは?

バッテリー寿命に関しては、Garmin Venu 3が明確に優れている。Pixel Watch 3は、41mmモデルで24時間程度、45mmモデルでも最大48時間のバッテリー持続時間とされているが、Garmin Venu 3はこれを大幅に上回る。標準モデルで最大14日間、41mm版でも10日間のバッテリー持続が可能であり、特に長時間のアウトドア活動や旅行においてはVenu 3が大きなアドバンテージを持つ。

Pixel Watch 3は、心拍数モニタリングやGPS、常時点灯ディスプレイ(AOD)などの機能を使うことでバッテリー消費が早まり、日常的に充電が必要になる。対してVenu 3は、AODを有効にしても1週間程度は使用できるため、ユーザーにとって充電の手間が少なくて済む。

また、GPS使用時のバッテリー持続時間でもVenu 3が優れており、長時間のスポーツ活動やトレッキングなどにおいて、特に効果を発揮する。Pixel Watch 3も省電力モードを活用すればある程度の持続時間が確保できるが、Venu 3ほどの長時間使用には向かない。

アクティビティトラッキング機能の比較

アクティビティトラッキングに関しては、両モデルともに高度な機能を備えているが、Garmin Venu 3が総合的に優れている。Pixel Watch 3はFitbitの技術を活用しており、ランニングやサイクリング、ヨガ、水泳など、幅広いスポーツをサポートしている。さらに、ランニングにおける詳細なデータ分析や、心拍数の精度向上が図られている。

しかし、Garmin Venu 3はさらに進化したトラッキング機能を提供している。特に、デュアルバンドのGNSS技術を採用しているため、都市部や森林などの複雑な環境でも非常に正確なGPSトラッキングが可能である。これにより、アウトドア活動やマラソンなど、長時間かつ複雑なルートでの使用においてはVenu 3が優れた性能を発揮する。

また、Garminのアクティビティデータの提示方法は、データ愛好者にとって非常に魅力的で、詳細な情報が視覚的に整理されているため、ユーザーは自身の進捗を容易に把握できる。Pixel Watch 3も優れたトラッキング機能を持つが、Garmin Venu 3の全体的なデータ管理と精度には及ばない。

スマート機能と安全機能の充実度

スマート機能においては、Google Pixel Watch 3がGarmin Venu 3をリードしている。特に、Androidとの深い統合が特徴であり、Googleアシスタントの使用やGoogleマップのオフライン対応、Googleウォレットなど、豊富なサードパーティアプリとの連携が可能である。また、LTE対応モデルが存在するため、スマートフォンと離れた状態でも通知の受信や通話が可能である点は大きな強みである。

一方、Garmin Venu 3もスマート機能を備えているが、Googleのエコシステムほどの統合度はない。Spotifyのオフライン再生やGarmin Pay、通知ミラーリング、音声アシスタント機能などはあるものの、Pixel Watch 3ほどの多機能さや直感的な操作性は期待できない。また、LTE非対応であるため、スマートフォンが手元にない場合の利用には限界がある。

安全機能に関しては、Pixel Watch 3がさらに一歩進んでいる。緊急連絡先へのダイヤルや転倒検出、車の衝突検出、最新の脈拍停止検知など、さまざまな安全機能が搭載されており、万が一の状況でも迅速に対応できる。一方、Garmin Venu 3も基本的な安全機能を備えているが、Pixel Watch 3の豊富なオプションには及ばない。