スマートフォンを使ったキャッシュレス決済が一般化する中、交通系ICカードのデジタル化も進んでいます。Google Walletではこれまで、Android端末に保存した交通系ICカードを使って「タップで乗車」することが可能でしたが、新たにカードの端末間移行が簡単にできるようになりました。

このアップデートにより、新しいスマートフォンを購入した際や複数のデバイスを使い分ける際に、手間をかけずに交通系ICカードを移行できます。これまでのように旧端末でカードを削除し、新端末で再登録する必要がなくなり、スムーズに利用を継続できるのが大きなポイントです。

さらに、今後この機能がWear OS搭載のスマートウォッチにも対応する可能性があり、より柔軟な決済方法が広がることが期待されています。Google Walletの最新機能とその活用方法を詳しく解説します。

スマートフォンの買い替え時に便利なシームレス移行機能

スマートフォンを買い替える際、多くの人が最も面倒に感じるのが各種データや設定の移行です。特に、交通系ICカードは従来、古い端末から手動で削除し、新しい端末に再登録する必要がありました。今回のGoogle Walletのアップデートにより、この手順が大幅に簡略化されました。

この機能を活用すれば、旧端末のGoogle Wallet上で「別のデバイスにカードを移動」を選択するだけで、新端末にスムーズに移行できます。さらに、新端末ではGoogle Walletを開き、「既存のカードをこのスマートフォンに移行する」オプションを選ぶことで、以前と同じ状態で交通系ICカードを利用できるようになります。

これにより、通勤・通学時の混雑した状況でも、素早く移行を完了できるようになり、スマートフォンの買い替えや紛失時の対応が格段に楽になります。また、従来は新端末で再登録が必要だったため、一部のユーザーにとっては設定のやり直しやデータの消失リスクがありましたが、今回の機能強化によって、そうした心配が軽減されることになります。

Wear OS対応の可能性が広がる未来の使い方

現在のところ、Google Walletの交通系ICカード移行機能はAndroidスマートフォン間で利用できます。しかし、今後Wear OS搭載のスマートウォッチにも対応する可能性があると予想されており、これが実現すればさらに利便性が向上します。

スマートウォッチでの交通系ICカードの利用は、スマートフォンを取り出す手間を省けるため、通勤・通学時の混雑した駅構内や、荷物が多いときに特に役立ちます。すでにApple WatchではSuicaやPASMOの利用が可能となっているため、Googleのスマートウォッチにも同様の機能が導入されることは十分考えられます。

また、Wear OS対応が実現すれば、複数のデバイス間で交通系ICカードをより柔軟に移行できるようになります。例えば、スマートフォンとスマートウォッチを使い分けることで、シチュエーションに応じた決済スタイルを選択できるようになるかもしれません。さらに、バッテリーが切れた場合の予備端末としても活用できるため、スマートフォンのトラブル時のバックアップ手段としても期待されます。

今後のアップデートで期待される追加機能とは?

今回のGoogle Walletのアップデートでは、交通系ICカードの移行がより簡単になりましたが、今後さらに多くの機能が追加される可能性があります。特に、クレジットカードや身分証明書の移行プロセスが改善されれば、デジタルウォレットの利便性がさらに向上するでしょう。

現在、ポイントカードやギフトカードなどはGoogleアカウントに紐づいているため、新端末でも自動で引き継がれますが、クレジットカードや運転免許証、パスポートなどの重要なデジタル証明書は、手動での再登録が必要です。これらも将来的に簡単に移行できるようになれば、スマートフォンの乗り換え時の負担がより軽減されることになります。

また、複数のデバイス間での同時利用が可能になれば、ユーザーにとって選択肢が増え、利便性が大幅に向上します。たとえば、スマートフォンとスマートウォッチを併用しながら交通系ICカードを使い分けることができれば、利用シーンがさらに広がるでしょう。Google Walletの今後の展開には、引き続き注目が集まりそうです。

Source:Android Police