サムスンが2025年第3四半期に発表すると噂される「Galaxy G Fold」は、同社初の三つ折りスマートフォンとして大きな注目を集めています。競合であるファーウェイの「Mate XT」がすでに市場に投入された中、サムスンは巻き返しを図る形となります。
最大の特徴は、展開時に約10インチ(9.96インチ)というタブレット級のディスプレイを備えること。これは「Galaxy Z Fold 6」と比較して約30%のサイズアップとなり、大画面での作業やコンテンツ視聴が快適に行えることが期待されます。また、両側を内側に折りたたむ構造を採用し、ディスプレイの耐久性を高める設計が取られる可能性があります。
詳細な仕様や価格はまだ明らかになっていませんが、サムスンの最新技術が投入されることは確実視されています。特に処理性能では、Exynosではなくオーバークロック版のSnapdragon 8 Eliteが採用される可能性があり、ハイエンド仕様となることが予想されます。価格面では高額になることが見込まれますが、タブレットのような使用感を提供するデバイスとして、新たな需要を生み出すかもしれません。
Galaxy G Foldはどのような使用体験をもたらすのか 大画面を活かした活用シーンとは
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「Galaxy G Fold」は、展開時に約10インチのディスプレイを備えることで、従来の折りたたみスマートフォンとは異なる使用体験を提供すると考えられます。特に、マルチタスク性能の向上が期待される点が特徴です。
サムスンの既存の折りたたみ端末では、2つのアプリを同時に表示する機能が搭載されていましたが、ディスプレイの大型化により3つ以上のアプリを快適に並べることが可能になるかもしれません。これにより、動画を見ながらSNSをチェックしつつ、メモを取るといったシームレスな操作が実現する可能性があります。
また、電子書籍やウェブブラウジング、文書編集といった作業も、タブレットに近い感覚で行えるようになるでしょう。特に、電子書籍の閲覧では、従来のスマートフォンよりも視認性が向上し、快適な読書体験が期待できます。さらに、スタイラスペンへの対応があれば、手書きメモやイラスト制作といった用途にも活用できるかもしれません。
一方で、ディスプレイサイズの拡大に伴う重量や厚みの増加が懸念されます。現行の「Galaxy Z Fold」シリーズは、折りたたんだ際に厚みが増すことが課題とされてきました。「Galaxy G Fold」も同様の問題を抱える可能性があり、持ち運びや片手操作の快適性については注意が必要です。
しかし、サムスンはこれまでの折りたたみスマートフォンで培った技術を活かし、利便性と耐久性のバランスを考慮した設計を施すと考えられます。
ディスプレイの進化がもたらす影響 折りたたみスマホ市場の新たなトレンドとは
「Galaxy G Fold」が採用する三つ折りディスプレイは、折りたたみスマートフォン市場において新たなトレンドを生み出す可能性があります。現在、折りたたみスマートフォンは「縦折り」と「横折り」の2種類が主流ですが、三つ折り式の登場により、より多様な形状が求められるようになるかもしれません。
特に、サムスンの「Galaxy G Fold」は、両側のディスプレイを内側に折りたたむ設計とされており、耐久性の向上が期待されます。
ファーウェイの「Mate XT」は、S字型に折りたたむデザインを採用していますが、この方式ではディスプレイの一部が外側に露出するため、傷や衝撃のリスクが高くなります。一方、「Galaxy G Fold」のデザインであれば、ディスプレイを完全に保護できるため、長期間の使用において優れた耐久性を発揮すると考えられます。
加えて、ディスプレイ技術の進化により、折りたたみスマートフォンの薄型化や軽量化が進む可能性もあります。特に、UTG(ウルトラシンガラス)や新素材の採用が進めば、従来の折りたたみスマートフォンよりも滑らかな折り目を実現し、折り目の目立ちにくいディスプレイが開発されるかもしれません。このような技術革新が実現すれば、折りたたみスマートフォンがより一般的な選択肢となる可能性があります。
ただし、三つ折りスマートフォンは従来の折りたたみスマートフォンよりも複雑な構造を持つため、製造コストが高くなる点が課題です。これにより、販売価格が高額になることが予想され、市場への普及には時間がかかるかもしれません。しかし、ディスプレイ技術の進化とともにコストダウンが進めば、将来的にはより多くのユーザーが手にしやすい価格帯で提供される可能性もあります。
ハードウェアの進化に期待されるポイント チップセットとバッテリー性能の課題
「Galaxy G Fold」が搭載するチップセットについては、現時点では公式な情報は明らかになっていません。
しかし、Snapdragon 8 Eliteのオーバークロック版が採用される可能性が指摘されており、これはサムスンのフラッグシップモデルにふさわしい高性能な仕様となることを示唆しています。このチップセットが搭載されれば、処理速度や電力効率が向上し、大画面でのマルチタスクや高解像度コンテンツの処理がスムーズに行えると考えられます。
一方で、バッテリー性能は重要な課題となるでしょう。ディスプレイが約10インチに拡大することで消費電力も増加すると予想されるため、大容量バッテリーの搭載が求められます。しかし、本体の重量増加を防ぐために、バッテリーサイズの増加には限界があるかもしれません。これを補うために、より効率的な電力管理技術や急速充電機能の強化が必要となる可能性があります。
また、冷却性能も重要な要素です。特に、折りたたみスマートフォンは構造上、放熱のためのスペースが限られるため、高性能なチップセットを搭載する場合、適切な冷却技術が求められます。サムスンがどのような熱対策を施すのかも、今後の注目ポイントの一つとなるでしょう。
「Galaxy G Fold」が登場すれば、折りたたみスマートフォンの新たな可能性が広がることは間違いありません。ハードウェアの進化とともに、ソフトウェアの最適化や新しいユーザーインターフェースの導入も期待されます。サムスンがどのような工夫を凝らし、折りたたみスマートフォンの新たな基準を築くのか、その動向が注目されます。
Source:Wccftech