Samsungは、新たに発表した「Galaxy S25」シリーズから、独自のメッセージアプリ「Samsung Messages」のサポートを終了しました。これにより、デフォルトのメッセージアプリはGoogle Messagesに統一され、従来のSamsung Messagesをインストールすることもできなくなっています。さらに、アプリストアからも削除されており、今後のサポートについても不透明な状況です。

Galaxy S25シリーズ以前にも、折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip 6」や「Galaxy Z Fold 6」ではGoogle Messagesが標準搭載されていましたが、これらの端末ではSamsung Messagesを後からインストールすることが可能でした。しかし、今回の決定により、SamsungユーザーはGoogle Messagesのみを利用せざるを得なくなりました。

Samsungは、この変更の理由としてGoogle MessagesのRCS機能の向上を挙げています。しかし、独自のメッセージングアプリを好んで使用していた一部のユーザーからは、「Googleのサービスに依存しすぎている」との声も上がっています。特に、Verizonが2024年12月にSamsung MessagesのRCSサポートを終了すると発表したことで、さらなる不満が広がっているようです。

Samsung Messages廃止の背景 Googleとの協力強化がカギ

Samsungが独自のメッセージアプリを廃止し、Google Messagesに統一した背景には、Googleとの協力関係の深化があります。Samsungの広報担当者は、「GoogleとSamsungの緊密な協力のもと、この決定を下した」とコメントしており、これが単なるアプリの整理ではなく、戦略的なパートナーシップの一環であることがうかがえます。

特に注目されるのは、Google MessagesのRCS(リッチコミュニケーションサービス)機能の強化です。RCSは、従来のSMSやMMSに代わる次世代のメッセージング技術で、高画質な画像の送信や既読確認、グループチャットの強化などが可能になります。

GoogleはAndroid全体でRCSの普及を進めており、Appleにも対応を求めています。この流れの中で、Samsungが独自のメッセージアプリを維持するメリットが薄れてきたのかもしれません。

また、Google Messagesは、AIによるメッセージの自動返信機能や、スパムフィルタの強化などの機能も充実しています。Samsungがこれらの機能を独自に開発するよりも、Googleの技術を活用する方が合理的だと判断した可能性もあります。こうした動きは、今後のSamsung端末におけるGoogleサービスのさらなる統合を示唆しているかもしれません。


Samsung Messagesの削除で困るユーザーはどの層か

Samsung Messagesの廃止により影響を受けるのは、主に既存のSamsungユーザーや、デフォルトアプリにこだわりを持つユーザー層です。特に長年Samsung Messagesを利用していた人にとっては、突然の移行が使い勝手の変化を生む可能性があります。

Samsung Messagesは、Samsung端末に最適化されたUIを提供しており、他のSamsungアプリとの連携機能も充実していました。例えば、Samsung独自のクラウドサービスや、Galaxy Watchとの連携など、一部のユーザーにとってはGoogle Messagesでは代替しにくい要素もありました。これらの機能がなくなることで、不便さを感じる人も少なくないかもしれません。

また、一部の通信キャリアでは、Samsung Messagesを利用した独自のメッセージ機能を提供していました。例えば、VerizonはSamsung Messages経由でRCS機能を提供していましたが、2024年12月にはこれを終了する予定です。

この変更により、キャリア特有の機能を活用していたユーザーは別の手段を模索する必要が出てきます。Samsungがこの変更について十分な説明を行わないと、一部のユーザーは戸惑う可能性があります。


Google Messages一本化の影響 今後のSamsung端末はどうなるのか

今回の変更は、Samsung端末におけるメッセージアプリの方向性を決定づけるものです。今後、Samsungが発売するすべてのスマートフォンでは、Google Messagesが標準のメッセージアプリとして搭載されることがほぼ確実視されています。

これは単なるアプリの統一にとどまらず、SamsungとGoogleの関係がさらに密接になる兆候とも考えられます。Google MessagesがRCSを強化し、Android全体の標準メッセージングプラットフォームになりつつあることを考えると、Samsungもこれに歩調を合わせた形といえます。今後は、Google Messagesの新機能がSamsung端末でも優先的に利用できるようになるかもしれません。

一方で、Samsung独自のソフトウェアエコシステムが縮小していくことに不安を抱くユーザーもいるでしょう。これまでSamsungは、独自のOne UIを通じて、Googleの標準仕様とは異なる独自のユーザー体験を提供してきました。

今回のGoogle Messagesへの一本化は、その方向性に変化が生じていることを示している可能性もあります。Samsungが今後、どの程度Googleのエコシステムに統合されていくのか、引き続き注目が必要です。

Source:TechRadar