Insomniac Gamesが『Resistance 4』の開発を計画していたものの、Sonyが資金提供を拒否していたことが明らかになりました。『Resistance』シリーズは、エイリアンとの戦いを描いたFPSとしてPS3時代に人気を博しましたが、その続編は実現しませんでした。
Insomniac Gamesの元経営者テッド・プライス氏によると、当時スタジオは新たなストーリー案を用意し、Sonyに提案していたものの、タイミングや市場の状況から拒否されたとのことです。現在、Insomniac Gamesは『Marvel’s Wolverine』を開発中で、新たな歴史を築いています。
『Resistance 4』が実現しなかった背景と当時の市場状況
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Insomniac Gamesが『Resistance 4』を提案した当時、FPS市場は急速に変化していました。特に、Activisionの『Call of Duty』シリーズやEAの『Battlefield』シリーズが圧倒的な人気を誇っており、リアルな戦争体験を重視する流れが強まっていました。
一方、『Resistance』シリーズは架空の歴史を舞台にしたSF要素の強い作品であり、他の競合タイトルとは異なる方向性を持っていました。しかし、その独自性が逆に市場の流れと合わず、Sonyがシリーズの継続を難しいと判断した可能性があります。また、PS3時代はAAAタイトルの開発コストが増大していた時期でもあり、特に新規性の強いタイトルほどリスクが高まる傾向にありました。
さらに、『Resistance 3』の売上は期待ほど伸びなかったとされています。当時の市場では、マルチプレイの充実度が重視されており、シングルプレイヤー主体のストーリー重視型FPSは厳しい状況にありました。こうした市場環境の中で、Sonyが『Resistance 4』への投資を見送ったのは、収益性やユーザー需要の変化を考慮した結果だったと考えられます。
『Resistance 4』がもし発売されていたら?考えられる進化と展開
もし『Resistance 4』が実現していた場合、どのような進化を遂げていたのでしょうか。『Resistance 3』では、荒廃した世界でのサバイバル要素が強調され、プレイヤーは限られた武器と資源を駆使して戦うスタイルが採用されていました。続編が開発されていたとすれば、この要素をさらに発展させた作品になっていたかもしれません。
また、Insomniac Gamesは武器のデザインやゲームプレイの独創性に定評がありました。『Resistance 4』では、新たなキメラ種や武器、より進化した戦闘システムが導入されていた可能性が高いでしょう。特に、当時の技術進化を考えると、より広大なオープンワールド要素を取り入れたり、協力プレイに特化したモードを実装したりすることで、他のFPSとの差別化が図られていたかもしれません。
さらに、PS4世代へと移行する時期であったため、より高精細なビジュアルや物理演算を活用したリアルな戦場表現が実現していた可能性もあります。シリーズのファンにとって、『Resistance 4』が発売されなかったことは惜しまれる事実ですが、もし開発が進んでいたら、現在のFPS市場にも大きな影響を与えていたかもしれません。
現在のInsomniac Gamesが『Resistance』シリーズを復活させる可能性はあるのか
現在のInsomniac Gamesは、『Marvel’s Spider-Man』シリーズや『Marvel’s Wolverine』など、大規模なアクションゲームの開発に注力しています。そのため、現状では『Resistance』シリーズを復活させる計画は発表されていません。
しかし、近年では過去の名作がリマスターやリメイクとして蘇るケースが増えています。特に、Sonyは『Demon’s Souls』や『The Last of Us』のリメイクを手掛けるなど、過去の人気IPの再活用に積極的な姿勢を見せています。仮に『Resistance』シリーズのリマスターやリメイク版が登場すれば、新たな世代のプレイヤーにその魅力が再認識されるきっかけになるかもしれません。
また、Insomniac Gamesのテッド・プライス氏は『Resistance』の世界観を高く評価しており、過去の発言からもシリーズへの愛着が感じられます。もし将来的に開発リソースに余裕が生まれれば、スピンオフ作品やリブートといった形で『Resistance』の新作が登場する可能性もゼロではないでしょう。
現在、FPS市場は再びシングルプレイヤー向けのストーリードリブンな作品が注目を集めつつあります。そうした流れを考えると、もし『Resistance』が現代の技術で復活すれば、新たなファン層を獲得することも十分に考えられます。
Source:gagadget