マイクロソフトは、Android向けWindowsアプリのリリースと同時に、MAM(モバイルアプリ管理)機能を提供すると発表しました。MAMを活用することで、企業や組織はモバイル端末上のアプリをより柔軟に管理し、セキュリティポリシーの適用が可能になります。

この新機能は、2025年3月に一般提供(GA)が予定されており、Androidユーザーにとって利便性が大幅に向上することが期待されています。また、昨年「リモートデスクトップクライアント」から「Windowsアプリ」へと名称変更されたことで、ユーザーの混乱が一部指摘される中、MAM機能の追加により管理のしやすさが強化される見込みです。

MAM機能の導入で何が変わるのか

MAM(モバイルアプリ管理)は、企業や組織にとって重要な機能です。従来、Windowsアプリの管理にはMDM(モバイルデバイス管理)が主に利用されていましたが、MAMの導入により、個人のデバイスでも企業アプリの利用を容易に制御できるようになります。

具体的には、管理者がアプリごとにセキュリティポリシーを適用できるため、企業の機密情報を扱うアプリのみを管理対象にすることが可能です。たとえば、仕事用のメールアプリにはアクセス制限をかける一方で、個人のアプリには干渉しないといった柔軟な管理が実現します。これにより、従業員のプライバシーを守りながらも、セキュリティを強化できます。

また、Android向けWindowsアプリがMAMに対応することで、企業だけでなく個人ユーザーにも利便性が広がります。たとえば、リモートワークで私用のスマートフォンを活用している場合でも、会社のシステムと安全に連携できるため、デバイスの持ち運びが不要になります。特に、ノートPCを持ち歩くことが難しい外出先での作業には、大きなメリットがあるでしょう。

Windowsアプリへの名称変更がもたらす影響

マイクロソフトは、「リモートデスクトップクライアント」という名称を「Windowsアプリ」に変更しました。このリブランディングにより、より幅広いユーザーに向けた統一感のあるブランド戦略が進められています。しかし、一部のIT管理者からは、この名称変更が混乱を招く可能性が指摘されています。

最大の問題は、「Windowsアプリ」という名称があまりにも一般的であり、検索時に関連情報を探しにくくなることです。たとえば、「Windowsアプリのトラブルシューティング」と検索すると、他のWindows向けアプリに関する情報が多く表示され、目的の情報を得るのが難しくなることが考えられます。

一方で、新しい名称にはメリットもあります。「リモートデスクトップクライアント」という名前は、特定の用途に限定される印象を与えていましたが、「Windowsアプリ」にすることで、リモートアクセスだけでなく、より多くの機能が含まれていることを示唆できます。そのため、初心者ユーザーにとっては、直感的に使いやすいアプリとして認識される可能性もあります。

Source:Windows Report