GoogleはAndroid 16の第2ベータ版を公開し、新たなショートカット機能として電源ボタンのダブルプレスでGoogle Walletを開くオプションを導入しました。

これまで、Androidデバイスでは電源ボタンのダブルプレスでカメラを素早く起動できましたが、今回の変更により、この動作をWallet起動に切り替えられるようになります。この設定はPixelデバイスの「設定」→「システム」→「ジェスチャー」から変更可能です。ただし、スマートフォンがロックされている状態では、カードを表示する前にロック解除が必要になります。

この機能がGoogle Wallet以外のウォレットアプリにも適用できるのか、またPixel以外のAndroidデバイスにも提供されるのかは未確定です。Android 16の正式版は2025年第2四半期にリリース予定で、最近の情報では6月3日の公開が有力視されています。しかし、カメラのクイック起動に慣れたユーザーにとって、この変更が歓迎されるかは未知数です。

電源ボタンの新機能は利便性向上か それとも混乱を招くのか

今回のAndroid 16ベータ版で導入されたGoogle Walletのクイックアクセス機能は、決済の利便性を高める可能性があります。従来、Google Walletを利用するには、スマートフォンをロック解除してアプリを開くか、クイック設定パネルを表示する必要がありました。しかし、新たなショートカットを活用すれば、支払い時の手間が大幅に軽減されます。特に、交通機関やレジでの支払いがスムーズになるでしょう。

一方で、従来のカメラ起動に慣れているユーザーにとっては、意図しない挙動に混乱する可能性もあります。カメラを素早く起動することに慣れている人にとって、この機能変更は誤操作を招きかねません。また、Google Walletを頻繁に使用しないユーザーにとっては、カメラのショートカットを維持したいと感じるかもしれません。

今後、Googleがどのようにこの機能を調整するのかが注目されます。例えば、ダブルプレス時の動作を自由にカスタマイズできるようになれば、ユーザーの選択肢が広がります。特定のアプリを割り当てられる仕様になれば、より多くの人に受け入れられるでしょう。

Pixel限定の機能か それとも他のAndroid端末にも展開されるのか

現在の情報では、このショートカット機能がPixelデバイス向けに提供されていることが確認されています。しかし、今後のAndroid 16正式リリース時に、他のAndroid端末にも展開されるかは不透明です。Googleの機能の中には、Pixelシリーズ限定のものも多く、例えば「通話の文字起こし」や「アクティブな通話の要約」などはPixel専用の機能として提供されています。

仮にこのWalletショートカット機能がPixel以外の端末にも解放される場合、メーカーごとにカスタマイズされる可能性があります。例えば、SamsungのOne UIでは電源ボタンの長押しでBixbyを起動する設定が可能ですが、他メーカーでは異なる動作になっていることもあります。このように、Androidの機能はメーカーによって実装が異なるため、Google Walletのショートカットも統一されるとは限りません。

ただし、Android 16のベータ版が進むにつれて、より多くの端末にこの機能が提供される可能性はあります。特に、決済の利便性向上が重視されている現代において、多くのメーカーが同様のショートカットを導入することも考えられます。正式リリース後の各メーカーの動向が注目されるところです。

Source:Samsung Magazine