Googleの最新スマートウォッチ「Pixel Watch 3」に搭載される「脈拍喪失検出」機能が、米国食品医薬品局(FDA)の認可を取得しました。この機能は、心臓の鼓動が停止した際に警告を発し、緊急サービスや周囲の人に通知することで、救命の可能性を高めます。
Pixel Watch 3は2024年の発売時から英国や欧州でこの機能が利用可能でしたが、米国では認可を待つ状態が続いていました。今回の承認を受け、3月末から同機能が米国のユーザーにも提供される予定です。
Pixel Watch 3の脈拍喪失検出とは?救命に貢献する新技術

Googleが開発した「脈拍喪失検出」は、心臓の鼓動が停止した際に即座に警告を発する機能です。この技術は、Pixel Watch 3の背面に搭載された高度な心拍センサーを活用し、脈拍が一定時間検出されなかった場合に作動します。心停止や薬物過剰摂取などの緊急事態に対応するために設計されており、緊急連絡先や医療機関へ速やかに通知を送る仕組みです。
この機能は、Pixel Watch 3の発売当初から欧州や英国で導入されていましたが、米国では規制の関係で認可が遅れていました。2025年2月26日、米国食品医薬品局(FDA)がこの機能を正式に承認したことで、ようやく米国内のユーザーも利用可能になります。Googleは3月末からの展開を予定しており、今後のアップデートで利用可能になる見込みです。
スマートウォッチの健康管理機能は近年進化を続けていますが、脈拍喪失検出はこれまでになかった画期的な技術です。心電図(ECG)や転倒検出、事故検出機能と並び、緊急時の対応能力がさらに強化されることになります。スマートウォッチが単なるガジェットではなく、健康を見守るデバイスとしての役割を果たし始めていることを象徴する機能といえるでしょう。
スマートウォッチの安全機能の進化と今後の可能性
Pixel Watch 3に搭載された脈拍喪失検出機能は、スマートウォッチが「身に着ける医療機器」としての役割を強めていることを示しています。これまでにも転倒検出やECG(心電図)機能など、健康管理に特化した機能が追加されてきましたが、今回の機能は「命を守る」という点で特に注目されています。
Googleは今後、Pixel Watch 3以外のデバイスへの展開も検討しているようです。具体的な発表はありませんが、Fitbitブランドのウェアラブルデバイスなどに搭載される可能性も考えられます。ただし、FDAの認可が必要となるため、機能が追加されるまでには時間を要するかもしれません。
スマートウォッチの進化により、将来的にはさらに高度な健康モニタリング機能が登場することが予想されます。例えば、より正確な血圧測定や血中酸素濃度の常時監視、AIによる異常検知などが実用化されれば、スマートウォッチは病気の早期発見や医療機関と連携したヘルスケアの提供に貢献する可能性があります。今後も技術の進化と規制の動向に注目が集まりそうです。
Source:TechRadar