Qualcommが開発を進める次世代プロセッサ「Snapdragon X2 Elite」が、18個のOryon v3コアを搭載する可能性が浮上しました。これまでWindowsノートPC向けに提供されてきたSnapdragon Xシリーズですが、新たな情報ではデスクトップ向けの高TDPモデルがテストされていると報じられています。
Snapdragon X2 Eliteの18コアが示す新たな展開とは

Qualcommの次世代プロセッサ「Snapdragon X2 Elite」が、18個のOryon v3コアを搭載するという情報が報じられました。これまでSnapdragon XシリーズはWindowsノートPC向けの展開が中心でしたが、今回の高TDPモデルの存在がデスクトップ市場への進出を示唆しています。
この新チップは、前世代のSnapdragon X Eliteと比較してコア数が大幅に増加しており、性能の向上が期待されます。加えて、LPDDR5 RAMやNVMe SSDとの組み合わせにより、高速な処理能力を実現する可能性もあります。もしデスクトップ向けのSnapdragon X2 Ultra Premiumが正式に発表されれば、Windows on ARM環境が新たな段階へ進むきっかけになるかもしれません。
デスクトップ向けARMチップの可能性 進化するWindows on ARM
QualcommがテストしているとされるSnapdragon X2 Eliteの高TDPモデルは、ARMアーキテクチャがデスクトップPC市場へ本格的に進出する契機になる可能性があります。従来、Windows on ARMデバイスは主にモバイル向けのチップをベースにしており、デスクトップ級の処理能力を求めるユーザーには選択肢が限られていました。
今回の18コア構成が、すべて高性能コアで構成されているのか、それとも効率コアと組み合わせたハイブリッド設計なのかは不明です。しかし、高TDPバージョンの存在が示唆されていることから、電力に余裕のあるデスクトップ環境向けに設計された可能性は高いでしょう。
さらに、Snapdragon X2 Eliteが外部GPU対応になるとの噂もあり、これが実現すれば、従来のARMベースWindows PCの弱点であったグラフィック性能の制限を克服できるかもしれません。こうした進化が進めば、AppleのMシリーズに匹敵するARMベースのWindows PCが登場する可能性も考えられます。
Snapdragon X2 Ultra Premiumは何をもたらすのか
WinFutureの報道によると、Snapdragon X2 Ultra Premiumという名称が登場しています。この名前から推測すると、Snapdragon X2 Eliteよりもさらに高性能なモデルとして開発が進められている可能性があります。
また、この新モデルはLPDDR5 RAM 48GB、NVMe SSD 1TBとの組み合わせでテストされているとされ、ハイエンドPC並みの性能を備えることが期待できます。これがデスクトップ向けの最上位モデルとして投入されるなら、Windows on ARMデバイスにおけるパフォーマンスの大幅な向上が見込まれるでしょう。
ただし、正式な発表は2025年10月のSnapdragon Summitまで待つ必要があるかもしれません。Qualcommは過去にARMベースのミニPC開発を中止した経緯もあるため、今回のSnapdragon X2 Ultra Premiumがどのような形で市場に登場するのか、今後の発表が注目されます。
Source:Beebom