Samsungが開発中のXRヘッドセット「Project Moohan」が、2025年内に発売されることが改めて確認されました。スペイン・バルセロナで開催された「MWC 2025」の会場にてこのデバイスが展示され、Appleの「Vision Pro XR」に対抗する次世代製品として注目を集めています。

「Project Moohan」は、OLEDマイクロディスプレイや「Snapdragon XR2+ Gen 2」プロセッサを搭載し、没入感のある体験を実現すると期待されています。Googleと協力して開発された「Android XR」OSを採用し、AIアシスタントには「GeminiマルチモーダルAI」の最新技術を搭載する見込みです。

正式な発売日や価格は未発表ですが、これまでの情報から2025年後半のリリースが有力視されています。Samsungは今後、さらなる詳細を明らかにする可能性が高く、最新の発表に注目が集まります。

MWC 2025で公開されたProject Moohanの特徴とは

Samsungはスペイン・バルセロナで開催された「MWC 2025」で、新型XRヘッドセット「Project Moohan」を展示しました。本製品はAppleの「Vision Pro XR」に対抗するデバイスとして開発され、2025年内の発売が改めて確認されています。

このヘッドセットの主要な特徴として、OLEDベースのマイクロディスプレイを2基搭載し、高リフレッシュレートによる滑らかな映像体験を実現するとされています。

さらに、Qualcomm製の「Snapdragon XR2+ Gen 2」プロセッサを採用し、高性能な処理能力を発揮する見込みです。カメラ構成も充実しており、少なくとも8台の外部カメラに加え、視線追跡用のカメラを2台搭載。これにより、リアルなMR(複合現実)体験が可能になると考えられます。

また、Googleとの共同開発による「Android XR」OSを搭載する点も注目されています。従来のAndroid OSとは異なり、XRデバイス向けに最適化された新バージョンとなり、特に没入型コンテンツの操作性が向上すると期待されています。さらに、Googleの「GeminiマルチモーダルAIアシスタント」を組み込むことで、音声や視線を活用したインタラクションが強化される可能性もあります。

SamsungのXR市場参入の狙いとは

Samsungが「Project Moohan」を投入する背景には、XR市場の成長と競争の激化があります。Appleが2024年に「Vision Pro XR」をリリースしたことで、ハイエンドXRデバイスへの関心が高まり、各社の開発競争が加速しました。SamsungはかねてよりXR技術に取り組んでいましたが、本格的な参入は今回が初となります。

特に「Project Moohan」はGoogleとの共同開発という点で他のデバイスと一線を画しており、Androidエコシステムとの親和性が強いことが特徴です。これにより、スマートフォンやタブレットとの連携がスムーズになり、既存のGalaxyユーザーにとって利便性の高い製品となる可能性があります。

また、AIアシスタント「Gemini」の統合も他社との差別化要因となるでしょう。視線追跡やジェスチャー操作と組み合わせることで、ハンズフリーでの操作性が向上し、これまでのVR/ARデバイスとは異なる新しいユーザー体験を提供できると考えられます。今後、価格帯や具体的な機能が明らかになることで、Samsungがどの層をターゲットにするのかがより明確になるでしょう。

価格と発売時期の未発表が意味するもの

「Project Moohan」に関する正式な価格や発売日について、Samsungはまだ明言していません。ただし、これまでの発表やイベントでの動向から、2025年後半に発売される可能性が高いと見られています。価格に関しては「Vision Pro XR」が高価格帯であることを考慮すると、Samsungが競争力のある価格設定を行うのか、それともプレミアム路線を採用するのか注目されます。

特に「Android XR」の導入により、Googleと共同でエコシステムを拡大する狙いも考えられます。既存のAndroidデバイスとの連携を強化し、アプリの最適化や専用コンテンツの開発が進めば、より幅広いユーザー層にアピールできる可能性があります。そのため、今後発表されるソフトウェアや対応アプリの詳細も、製品の価値を左右する重要な要素となるでしょう。

価格や発売時期が未発表である点は、開発の最終調整が続いていることを示唆しているのかもしれません。競合製品との比較や市場動向を見極めた上で、Samsungが最適なタイミングで正式発表を行う可能性が高く、今後の続報に期待が集まります。

Source:SamMobile