Huaweiが次世代の縦折りスマートフォン「Pocket 3」を準備しているようです。従来モデルからの大幅な進化として、Galaxy Z Flip 6の3.4インチAMOLEDカバーディスプレイを上回るサイズのトップスクリーンを採用する可能性が指摘されています。これが実現すれば、Huaweiの折りたたみスマートフォンの中で最も大きな外部ディスプレイを搭載するモデルとなります。
さらに、新型デバイスは「メイクアップボックス」デザインを採用し、よりスリムでコンパクトな形状になるとされています。また、電源ボタンの配置も変更される可能性があり、デザイン面での刷新も期待されています。OSはAndroidではなくHarmonyOS NEXTのみを搭載し、Kirin 9020チップの改良版とされる「Kirin 9020s」を採用する見込みです。
Galaxy Z Flip 6超えの可能性 Huawei Pocket 3の新型カバーディスプレイとは

Huawei Pocket 3に搭載されるとされるカバーディスプレイは、Samsung Galaxy Z Flip 6の3.4インチAMOLEDパネルよりも大きくなる可能性が指摘されています。
過去のHuawei製折りたたみスマートフォンでは、Pocket 2が1.15インチ、Nova Flipが2.14インチの外部ディスプレイを採用していました。それを考えると、一気に3インチ以上のディスプレイを搭載することは、Huaweiの縦折りスマートフォンにとって大幅な進化となります。
外部ディスプレイのサイズが大きくなれば、通知確認やウィジェットの操作性が向上し、メインスクリーンを開かずにさまざまなタスクをこなせる可能性があります。特に、メッセージの返信や簡単なナビゲーションの操作など、カバーディスプレイの実用性が高まることが期待されます。また、大画面化によって、より多くの情報を一度に表示できるため、視認性も向上するでしょう。
Huaweiの折りたたみスマートフォンは、SamsungのGalaxy Z Flipシリーズと比較すると、デザイン面で独自の路線を歩んできました。もしこの新モデルがSamsungのディスプレイサイズを超える場合、Huaweiは折りたたみ市場でさらに注目を集めることになりそうです。
しかし、ディスプレイが大型化することで、バッテリー消費が増える可能性も考えられます。省電力性能の向上がどこまで実現できるかも、注目すべきポイントになりそうです。
Kirin 9020s搭載の可能性 Huawei Pocket 3の処理性能に注目
Huawei Pocket 3には、Kirin 9020チップの改良版とされる「Kirin 9020s」が搭載される可能性があると報じられています。
このチップセットは、Mate 70 Pro Premium Editionにも採用されているもので、オリジナルのKirin 9020と比べて一部のクロック速度が低く抑えられていることが確認されています。特に、Geekbenchのデータでは、大きなコアのクロック速度が低く設定されていることが示唆されており、省電力とバランスの取れたパフォーマンスが意識された設計になっている可能性があります。
Kirin 9020は、Huaweiが独自に開発したプロセッサであり、Snapdragonシリーズとは異なる最適化が施されています。
Mate 70 Proシリーズでは、Mate 60 Proに対して35%のパフォーマンス向上を実現し、Mate 70 Proでは40%の向上が確認されています。このことから、Pocket 3でも前モデルより確実な性能向上が期待されるでしょう。ただし、Kirin 9020sのクロックダウンにより、従来のKirin 9020とどの程度の性能差が出るのかは、今後の詳細な情報を待つ必要があります。
特に、折りたたみスマートフォンでは、コンパクトな筐体に収めるための発熱管理が重要になります。HuaweiがKirin 9020sを採用することで、発熱とバッテリー持ちのバランスを重視した設計にしている可能性もあります。ハードウェアの進化とともに、HarmonyOS NEXTとの最適化によるスムーズな動作も期待されるため、実際のパフォーマンス検証が待たれるところです。
Android非対応のHarmonyOS NEXT専用 Huaweiの独自路線は成功するのか
Huawei Pocket 3には、Androidアプリの利用ができないHarmonyOS NEXTのみが搭載される予定です。これは、Googleのサービスを利用できないHuaweiの戦略の一環であり、同社のスマートフォンが独自のエコシステムを築こうとしていることを示しています。
これまでのHarmonyOSでは、Androidアプリが動作する仕組みがありましたが、NEXTでは完全に独立した環境に移行するため、Huawei独自のアプリエコシステムが求められることになります。
Androidアプリが利用できないことで、従来のスマートフォンユーザーにとっては不便に感じる場面もあるかもしれません。特に、Google Playストアに依存したアプリが使えない点は、多くのユーザーにとって大きなハードルになるでしょう。
しかし、Huaweiは独自のAppGalleryを強化し、代替アプリの充実を図っているため、日常的な利用には問題がないレベルまで来ているとも言えます。また、Huawei独自のアプリ最適化により、HarmonyOS NEXTがスムーズな動作を実現する可能性もあります。
今後、Huaweiがどこまで独自のエコシステムを確立できるかが、Pocket 3の評価を左右する要因となりそうです。中国市場ではすでに多くのHuawei端末が支持を集めていますが、海外市場での受け入れられ方がどうなるかは未知数です。特に、折りたたみスマートフォン市場において、Huaweiの独自路線がどのような影響を与えるのか、今後の展開が注目されます。
Source:PhoneArena