Android Autoが、ついに外部通話アプリのサポートに向けた準備を進めている可能性が浮上した。これまで、Android Autoではスマートフォンにプリインストールされたダイヤラーアプリのみが通話機能を提供していたが、最新のアップデートで外部ダイヤラーアプリに対応するコードが発見された。

この新機能は、APK解析から得られた情報に基づくものであり、具体的なリリースは未定だが、今後の展開に注目が集まる。

Android Autoの現状と制限

現在のAndroid Autoでは、スマートフォンにプリインストールされたダイヤラーアプリのみが通話機能を提供している。つまり、ユーザーは標準の電話アプリを通じてのみ発信が可能であり、WhatsAppのような一部のサードパーティアプリは着信を受けることはできても、直接発信することはできない。

この制限は、特に多様なアプリを活用するユーザーにとっては不便な点となっている。通話の手段を拡張するニーズは高まっており、ビジネスの場面などではWhatsAppやTelegramのようなアプリを使う場面が増えている。Android Autoがこの制限を克服するかどうかが今後の注目点となる。

さらに、現状のAndroid Autoでは、特定の音声コマンドを使用しても、標準のダイヤラーアプリしか呼び出せないという不便さもある。この状況が改善されれば、ユーザー体験が大きく向上することが期待される。

APK Insightで明らかになった新機能のヒント

Android Autoの最新バージョンであるv13.0では、表面上は大きな変更がないが、APKファイルの解析によって興味深い新機能の兆しが発見された。APK Insightによると、このバージョンには「外部ダイヤラーアプリ」に関連する複数のコードが追加されていることが明らかになった。具体的には、「外部ダイヤラー許可リスト」「外部ダイヤラー有効化」「通話開始時にアプリを切り替えるキルスイッチ」といった機能が確認された。

これらのコードは、Android Autoが既存の標準ダイヤラーアプリ以外にも対応する準備が進んでいることを示唆している。ただし、これらの機能がいつ、どのようにして実装されるかについては、まだ不確定である。Googleがこれらの機能を公式に発表するまで、ユーザーは引き続き標準ダイヤラーアプリに頼らざるを得ない状況が続く。

また、この変更がAndroid Autoユーザー全体に提供されるのか、一部の国やデバイスに限定されるのかも注目すべき点である。

外部ダイアラーアプリ対応の可能性

今回のAPK解析で発見された外部ダイヤラーアプリの対応は、Android Autoの機能性を大きく広げる可能性がある。これまでのAndroid Autoでは、スマートフォンの標準ダイヤラー以外のアプリを使用して通話を発信することはできなかったが、外部ダイヤラーアプリが許可されることで、より多くの選択肢が提供されることになる。

例えば、ビジネスユーザーは仕事用とプライベート用の電話番号を異なるアプリで管理していることが多く、通話アプリの選択肢が増えることは大いに利便性を高めるだろう。さらに、音声コマンドを通じて特定のアプリを選んで通話することが可能になれば、運転中の安全性や操作性も向上することが期待される。

しかし、現時点では「許可リスト」などの表記があるため、すべての外部アプリが即座に利用できるわけではない可能性がある。具体的なアプリの対応や、どの程度のカスタマイズが可能になるのかは、今後のアップデートに注目したい。

WhatsAppの既存対応と将来の展望

WhatsAppはすでに一部のPixelやSamsung Galaxyデバイスにおいて、Android Auto経由での通話が可能になっているが、この機能は限定的なものである。特定の連絡先に対してのみ、WhatsApp経由での通話が可能であり、通常のキャリア回線を利用した通話と切り替えて利用する形式だ。

しかし、今回のAPK Insightで示された外部ダイヤラーアプリの対応が進めば、WhatsAppや他のメッセージングアプリを通じた通話機能もより広範囲に拡張される可能性がある。これにより、より多くのユーザーが日常的に利用しているアプリを介して通話を行うことができ、Android Autoの使い勝手が大きく向上するだろう。

特に、音声コマンドでアプリを選択し、通話を開始できる機能が実装されれば、運転中でもより安全に通話を行うことが可能になる。WhatsApp以外のアプリへの対応拡大も視野に入れつつ、Googleの公式発表が待たれる。