サムスンは、新型ノートPC「Galaxy Book5 Pro」を発表した。このモデルには、Intel Lunar Lakeプロセッサとサムスン独自のGalaxy AI技術を活用した新機能「AI Select」が搭載されている。画像やテキストを囲むことで検索を始める「Circle to Search」風の操作が可能で、OCRやQRコードのスキャンといった機能も利用できる。

Galaxy Book5 Proは14インチと16インチの「Dynamic AMOLED 2X」ディスプレイを採用し、タッチ操作に対応する点が魅力的だ。また、MicrosoftのCopilot+もサポートしており、ユーザー体験をさらに向上させる設計となっている。1月2日に韓国で発売されるこのデバイスは、最大25時間のバッテリー持続時間や最新のポート構成を備え、モバイルPCの新たな基準を打ち立てる可能性がある。

Intel Lunar LakeとGalaxy AIがもたらす新たな体験

サムスンが採用したIntel Lunar Lakeプロセッサは、47TOPSという卓越した処理能力を備え、ニューラルプロセッシングユニット(NPU)の搭載によりAI技術を最大限に活用している。

このNPUは、サムスン独自のGalaxy AIとMicrosoftのCopilot+という2つのAIプラットフォームを同時にサポートする点が注目される。特に、Galaxy AIを活用した「AI Select」機能は、画像やテキストを囲むことで新たな検索を可能にするというユニークな仕組みを採用している。

この技術は、単なる便利さを超えた直感的な操作性をユーザーに提供する。例えば、画像からのOCRやQRコードのスキャンが容易になり、これまで煩雑だったタスクを迅速に解決できる。この技術がGoogle技術ではなく、サムスン独自の開発による点も重要である。独自路線を貫くことで、同社は自社ブランドの価値をさらに高めようとしているといえる。

AI技術の発展が競争を激化させる中、Intelとサムスンの連携は、ノートPCの進化に新たな道を切り開いたと言える。この動きは、他メーカーが今後の製品設計でどのように差別化を図るかという点にも影響を及ぼす可能性が高い。

Dynamic AMOLED 2XとNPUのシナジー効果

Galaxy Book5 ProのディスプレイにはDynamic AMOLED 2Xが採用されており、これがAI機能と相まって、視覚体験をさらに向上させている。このディスプレイは、視覚ブースターや反射防止コーティングにより、高い視認性を実現している。特に、16インチモデルの大画面では、画質を重視するユーザーにとっての魅力がさらに高まる。

また、NPUはディスプレイとの連携においても重要な役割を果たしている。「Photo Remaster」機能では、古い写真をアップスケールし、ディスプレイ上で鮮明に表示することが可能だ。さらに、リアルタイムでの翻訳機能や、手書きメモを最適化する「Note Assist」など、これらのタスクがスムーズに行える点は大きな利点である。

サムスンのこの設計は、AI技術が単なる処理能力向上にとどまらず、実際の使用感にもたらす影響を示している。特に、ディスプレイ性能との組み合わせが製品価値を高める好例となっている。これにより、視覚と操作の一体化という新しい基準が示されたと言えるだろう。

モバイルデバイスとの連携が生む可能性

Galaxy Book5 Proは、MicrosoftのPhone Link機能をサポートし、スマートフォンとの高度な連携を実現している。この連携は、Galaxyデバイスを所有するユーザーに特にメリットをもたらす。「Multi Control」によるマウスやキーボードでのスマホ操作、「Second Screen」を活用したタブレットのサブモニター化、さらに「Quick Share」によるファイル転送が簡単に行える仕様だ。

このような連携機能は、モバイルデバイスの境界を曖昧にし、ユーザー体験をさらに一体化させる。これにより、PCやスマホがそれぞれの役割を補完し合い、新しいデジタルエコシステムが構築されていく可能性がある。特に、業務用途やクリエイティブ作業を行うユーザーにとっては、この統合性が作業効率向上の鍵となるだろう。

ただし、この連携が真に便利であるかは、ユーザーの使用環境や習慣に依存する部分もある。サムスンが提案するエコシステムが広く受け入れられるかどうかは、今後の市場の反応次第である。いずれにせよ、デバイス間のシームレスな連携を追求する方向性が他社製品にも影響を及ぼす可能性は大いにある。