サムスンがCES 2025で新型ノートPC「Galaxy Book5 Pro」および「Galaxy Book5 Pro 360」を発表した。これらのモデルは最新のIntel Core Ultraプロセッサ「Arrow Lake」を搭載し、内蔵NPUを活用したAI SelectやPhoto Remasterといった機能をサポートする。最大47 TOPSの処理性能を誇り、サードパーティアプリケーションでもAIタスクが可能である点が特徴だ。
さらに、14インチと16インチモデルには高精細なDynamic AMOLED 2xディスプレイが採用され、3K解像度や120Hzのリフレッシュレートに対応することで映像の滑らかさとバッテリー効率を両立している。加えて、Galaxyデバイス間の連携を強化するエコシステムも注目ポイントだ。
一方で、MicrosoftのCopilot+との互換性は明記されておらず、AI機能の全容には未知数な部分が残る。2月から出荷開始予定だが、価格については未発表である。
Intel Core UltraプロセッサとNPUの性能がもたらす新たな可能性
Galaxy Book5 Proシリーズは、Intelの最新プロセッサ「Core Ultra」を採用している。このプロセッサはArrow Lakeアーキテクチャを基盤としており、47 TOPSという高い演算能力を提供する。内蔵のNPU(ニューラルプロセッシングユニット)を利用することで、AIタスク処理が効率化され、AI SelectやPhoto Remasterといった高度な機能が可能となった。
このNPUは、画像のリタッチや画面情報の抽出といった日常的な作業を大幅に向上させるだけでなく、サードパーティ製アプリケーションにも対応しているため、柔軟な利用が期待できる。
これにより、ユーザーのクリエイティブな作業や生産性がさらに向上する可能性がある。一方で、NPUが日常利用でどの程度の効率を発揮するのかは未知数であり、ソフトウェアとハードウェアの最適化がどれほど進んでいるかが注目される。サムスンがこの分野でMicrosoftやIntelとどのような連携を見せるのか、今後の発展が期待される。
Dynamic AMOLED 2xディスプレイが描き出す新次元の映像美
Galaxy Book5 Proシリーズのもう一つの注目ポイントは、16インチと14インチモデルに搭載されたDynamic AMOLED 2xディスプレイである。解像度は2880×1800、リフレッシュレートは最大120Hzに対応しており、滑らかな映像体験と目の疲れを軽減する設計が特徴だ。また、VRR(可変リフレッシュレート)機能により、消費電力を抑えながら、映像品質を維持することが可能となっている。
この技術は、映像視聴やクリエイティブな作業を日常的に行うユーザーにとって特に魅力的である。一方で、ディスプレイ性能の向上がバッテリー寿命や本体の発熱に与える影響についての情報はまだ公開されていない。こうした点において、実際の使用感を確認したレビューが市場の判断材料となるだろう。これらの技術が他のラップトップとの差別化をどこまで実現できるのか、興味深いところである。
Copilot+未対応が意味する戦略の方向性
新型Galaxy Book5 Proシリーズは、AI機能を全面に打ち出しているものの、Microsoftの「Copilot+」には対応していない。この点は、サムスンが独自のAIエコシステムを強化する方向に注力していることを示唆している。特にMicrosoftのエコシステムとの連携を重視する一方で、Copilot+を避けた背景には、サムスン独自のAIソリューションの差別化戦略があると考えられる。
ただし、Copilot+が持つ生産性向上機能に魅力を感じるユーザー層にとって、未対応は選択肢を狭める要因にもなり得る。SamsungのChangtae Kim氏は「Galaxy AIと最先端の技術をさらに多くの人々に提供する」と述べており、今後のアップデートや対応状況によって、製品の評価が左右されるだろう。Copilot+を超える独自機能を提供できるかどうかが、同シリーズの成否を決定する要因になると言える。