サムスンが開発中とされるトリプルフォールドスマートフォンの名称が「Galaxy G Fold」になる可能性が浮上しました。これは、著名リーカーYeux1122氏の情報によるもので、サムスンの既存のフォルダブルシリーズ「Galaxy Z Fold」との命名規則とは異なる点が注目されています。

この新デバイスは、ヒンジを2つ備え、3つのディスプレイパネルを搭載する仕様と考えられています。特許情報によれば、折りたためるバッテリー技術の採用が検討されており、バッテリー持続時間の向上が期待される一方、端末の厚みが増す可能性もあります。

2025年の発表が予想される「Galaxy Z Fold 7」「Galaxy Z Flip 7」と同時期に登場するとの見方もあり、サムスンが最大4種類のフォルダブルデバイスを準備しているという噂もあります。今後の公式発表が待たれるところです。

進化するフォルダブル技術 サムスンのトリプルフォールドが目指すもの

サムスンが開発を進めるトリプルフォールドスマートフォンは、単なる形状の変化にとどまらず、新たなユーザー体験を生み出す技術的挑戦でもあります。これまでのフォルダブルスマートフォンは二つ折りが主流でしたが、ヒンジを二つ搭載することで、さらに多様な使い方が可能になると期待されています。

たとえば、広げた状態ではタブレットに匹敵する大画面を提供し、コンテンツの視認性を大幅に向上させるでしょう。一方、二つ折りの状態では従来のスマートフォンと同様に片手で操作できる形状になります。さらに、Z字型に折りたたむことで、複数のアプリを同時に利用できるマルチタスク環境を実現する可能性もあります。

また、特許情報からは、新たなバッテリー技術が搭載される可能性も示唆されています。折りたためるバッテリーは、従来の直線的な設計ではなく、デバイスの形状に応じて柔軟に配置できるものです。これにより、バッテリー容量の確保が容易になり、駆動時間の向上につながるかもしれません。

こうした技術の進化により、スマートフォンはこれまで以上に多機能なデバイスへと変貌する可能性があります。サムスンがどのようにこれらの技術を実用化し、ユーザーにとって魅力的なデザインに仕上げるのかが注目されます。

競争が激化するフォルダブル市場 サムスンとHuaweiの動向

フォルダブルスマートフォン市場は、サムスンだけでなく他のメーカーも注力する分野となっています。特にHuaweiは、すでに「Mate X」シリーズで独自のフォルダブル技術を展開しており、新たなトリプルフォールドスマートフォンの開発も進めているといわれています。

Huaweiの「Mate XT」は、外側に折りたたむアウトフォールド方式を採用しており、サムスンの内側に折るインフォールド方式とは異なるアプローチを取っています。これにより、ディスプレイの耐久性や折りたたみ時の厚み、使用時の利便性など、異なる設計思想が競争のポイントとなっています。

一方、サムスンは過去数年間にわたり、フォルダブル技術の改良を重ねてきました。「Galaxy Z Fold」シリーズでは、ヒンジの耐久性向上や折り目の目立ちにくさに注力し、使い勝手の向上を図ってきた経緯があります。今回の「Galaxy G Fold」(仮称)も、それらの改良点を引き継ぎつつ、新たな折りたたみ構造によって市場のさらなる拡大を狙っている可能性があります。

フォルダブル市場はまだ成長段階にあり、価格の高さや耐久性の課題などが指摘されているものの、技術の進化とともにより多くのユーザーに普及する可能性があります。サムスンとHuaweiの競争が、どのようにこの市場を変えていくのか、今後の動向に注目が集まります。

新たなスマートフォン体験は実現するのか

トリプルフォールドスマートフォンは、従来のフォルダブル端末と比べて大幅に異なる使用感を提供する可能性があります。特に、9~10インチの大型ディスプレイを活用することで、スマートフォンとタブレットの境界を曖昧にし、新たなカテゴリーを確立するかもしれません。

現時点では、サムスンの新型フォルダブルスマートフォンの詳細は明らかになっていませんが、これまでの情報をもとに考えると、エンターテインメントやビジネス用途での活用が期待されます。たとえば、広げた状態で動画編集や資料作成を行うことで、より実用的な作業環境を提供できるかもしれません。また、ゲームプレイにおいても、大画面を活かした新しい操作スタイルが生まれる可能性があります。

ただし、課題も残されています。まず、折りたたみ機構が複雑になることで、デバイスの耐久性やコストがどの程度影響を受けるのかが不透明です。また、画面を3つのパネルに分ける構造によって、継ぎ目が目立ちやすくなり、視認性が損なわれる可能性もあります。

これらの点を考慮すると、トリプルフォールドスマートフォンは革新的なデバイスである一方で、実用性や市場の反応によって今後の展開が左右されることになりそうです。サムスンがどのような形でこの新技術を市場に投入するのか、今後の発表が待たれます。

Source:TechRadar