GoogleのAIアシスタント「Gemini」に新たな機能「Deep Research」が追加され、Androidアプリでも利用可能になりました。この機能は、単なる検索結果の提示ではなく、複雑な質問に対してウェブを横断的に調査し、構造化されたレポートを作成するのが特徴です。
ユーザーは質問を入力すると、AIが調査プランを作成し、関連情報を段階的に収集・分析。最終的に整理されたレポートとして提供され、参照元のリンクも明示されます。処理には数分かかりますが、アプリを閉じても調査は継続され、完了時には通知が届く仕様です。
この機能は「Gemini Advanced」のサブスクリプション会員向けに提供され、2月6日からAndroid版で本格展開。今後のiOS対応にも期待が高まっています。
Deep Researchの特徴と従来の検索との違い
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「Deep Research」は、従来の検索エンジンとは異なるアプローチで情報収集を行います。一般的な検索では、ユーザーがキーワードを入力すると、関連するウェブページのリストが表示されるだけですが、「Deep Research」はこれを超えた高度な処理を行います。
この機能では、入力された質問を複数のステップに分解し、それぞれの要素について詳細なリサーチを実施します。
例えば、「最新の電気自動車の比較」を調査したい場合、ジェミニは「主要メーカー」「バッテリー性能」「価格」「航続距離」などのカテゴリごとに情報を整理し、統合的なレポートを作成します。また、単なるリンクの羅列ではなく、得られた情報を要約・分析し、分かりやすい形で提示するのも大きな特徴です。
さらに、ウェブ検索の精度も向上しており、最新の情報を収集しつつ、信頼性の高い情報源を優先して参照します。従来の検索結果は、SEO対策が施されたページが上位に表示される傾向があり、内容の質が必ずしも保証されるわけではありません。一方、「Deep Research」では、より網羅的かつ深いリサーチが行われるため、専門的な情報を効率的に取得できます。
このように、「Deep Research」は、単なる検索結果の一覧表示とは一線を画し、ユーザーの求める情報をより深く、より整理された形で提供する機能といえます。
Android版での制限と今後の展開の可能性
「Deep Research」はAndroid版ジェミニアプリで利用可能になりましたが、現時点では一部の機能に制限があります。例えば、PC版と異なり、ファイルのアップロードや「Gemini Live」機能が未対応であり、これらの機能が今後追加されるかは不明です。しかし、Googleがモバイル向けのAI機能を強化していることを考えると、将来的にはより多機能なバージョンが登場する可能性があります。
また、現段階ではAndroid版のみで提供されており、iOS版は未対応です。しかし、Googleは近年、iOS向けのAI機能も積極的に展開しているため、今後のアップデートでiPhoneやiPad向けにもリリースされることが期待されます。特に、iOSユーザーの間では、GoogleのAI技術を活用したアプリの需要が高まっており、今後の対応次第でユーザー層がさらに拡大する可能性があります。
加えて、「Deep Research」は現在「Gemini Advanced」のサブスクリプション会員のみが利用できる仕様となっています。この点についても、将来的に無料版への開放や、一部機能の無償提供が行われるか注目されています。Googleは過去にも、最初は有料サービスとして提供した機能を後に無料開放するケースがあったため、ユーザーの反響次第では利用条件が緩和されることも考えられます。
こうした点を踏まえると、現在は一部制限があるものの、今後のアップデート次第でより多くのユーザーが活用できるようになる可能性があり、引き続き注目したい機能の一つといえます。
Source:Gizchina.com