Qualcommが最新のX85モデムを発表し、次世代のフラッグシップスマートフォンに搭載されることが明らかになりました。最大12.5Gbpsの下り速度と3.7Gbpsの上り速度を実現し、特に上り速度に関しては業界初の水準となります。さらに、AIを活用したデータトラフィック最適化機能を搭載し、オンラインゲームやビデオ通話時の通信品質向上が期待されます。
新たに導入されたTurbo DSDA機能により、デュアルSIMでの5G通信がより快適になり、鉄道業務向けのFRMCSバンドにも対応。さらに、3GPP Release 17およびRelease 18の規格もサポートすることで、将来の通信環境に適応した仕様となっています。
Qualcomm X85モデムの進化点 これまでのモデルとの違い

QualcommのX85モデムは、従来のX80モデムと比較して、通信速度と機能の両面で進化を遂げています。特に下り速度は最大12.5Gbps、上り速度は3.7Gbpsに向上し、上り速度の強化は業界初の試みとなります。また、新たにAIによるデータトラフィックの最適化機能を搭載し、ビデオ通話やオンラインゲームの通信遅延を軽減する仕組みも導入されています。
さらに、X85モデムはTurbo DSDA(デュアルSIMデュアルアクティブ)を採用し、2つの5G SIMを同時に高速通信で利用できるようになりました。これは、モバイル通信を活用するユーザーにとって利便性の向上が期待される機能です。加えて、鉄道業務向けのFRMCSバンドにも対応し、特定の用途における通信の安定性も強化されています。
3GPP Release 17およびRelease 18の規格に対応することで、将来的な5G通信技術の発展にも備えています。これらの進化により、X85モデムは今後のフラッグシップスマートフォンに搭載される可能性が高く、通信性能のさらなる向上が期待されます。
次世代フラッグシップへの採用 どのスマートフォンに搭載されるのか
Qualcomm X85モデムは、今年後半に登場する次世代スマートフォンに搭載される予定です。特に、Snapdragon 8 Elite Gen 2プロセッサと組み合わせて使用されると予想されており、OnePlus 14やGalaxy S26シリーズの一部モデル、Xiaomi 16シリーズなどが候補として挙げられます。
これらのスマートフォンは、最先端の通信性能を備えたデバイスとして、より高速で安定したモバイル体験を提供することになるでしょう。
また、X85モデムは衛星通信機能も統合しているため、山間部や災害時の通信手段としての活用も考えられます。3GPP Release 17およびRelease 18のサポートにより、今後の通信環境の変化にも柔軟に対応可能な仕様となっています。特に、通信の安定性が求められる場面では、その恩恵を受ける機会が増えるでしょう。
スマートフォンメーカー各社は、通信性能の強化を求めるユーザーのニーズに応えるため、より高度なモデムを搭載する傾向にあります。Qualcomm X85は、その要求に応える形で、今後のフラッグシップモデルに広く採用されることが期待されます。
通信性能の進化がもたらす新たなモバイル体験
X85モデムの進化は、単に通信速度を向上させるだけでなく、モバイルデバイスの使い方にも影響を与える可能性があります。AIによるデータトラフィックの最適化により、ビデオ通話やゲーム、クラウドストリーミングの品質が向上し、リアルタイムでの通信体験がより快適になることが期待されます。
また、デュアルSIMの同時利用がよりスムーズになることで、仕事とプライベートの使い分けや、異なるキャリアの回線を利用した通信環境の最適化がしやすくなるでしょう。特に、旅行や出張時に異なるSIMカードを使う場合、より快適に通信できる環境が整うことになります。
これまでのスマートフォンの通信性能は、毎年着実に向上してきましたが、今回のX85モデムはさらにその先を見据えた設計になっています。次世代のモバイル体験を支える技術として、今後のスマートフォン市場にどのような影響を与えるのか注目が集まります。
Source:Android Authority