Samsungの最新フラッグシップスマートフォン「Galaxy S25 Ultra」は、強化されたカメラ性能が注目を集めている。しかし、実際に天体写真を撮影した結果、期待していたような美しい星空の写真は撮れなかった。その最大の要因は、ナイトモードの不具合による白い帯状のアーティファクトの発生だった。この問題はソフトウェアアップデートで修正されたものの、画質そのものには依然として課題が残っていた。
アップデート後の撮影では、ノイズは軽減されたが、天体写真特有のディテールやシャープさに欠ける仕上がりだった。さらに、ナイトモードとプロモードを比較すると、ナイトモードでは明るさのムラが発生し、プロモードではブレの影響が大きかった。特に月の撮影では露出オーバーが頻発し、30倍ズームでようやくクレーターが見える程度だった。
Galaxy S25 Ultraのナイトモードに潜む問題点

SamsungのGalaxy S25 Ultraは、低照度環境での撮影性能向上を掲げているが、ナイトモードの挙動には依然として課題がある。特に天体写真撮影時には、白い帯状のノイズが発生する現象が報告されており、細部の再現性が損なわれてしまう。この問題は、ナイトモードの画像処理アルゴリズムが長時間露光時に誤作動し、不要なアーティファクトを生み出すことが原因と考えられる。
ソフトウェアアップデートによって、このノイズの発生は改善された。しかし、それでも画像のシャープさは十分とは言えず、星空を鮮明に撮影するには物足りなさが残る。特に、ナイトモードでの画像処理によって、星の輪郭がぼやけたり、色のムラが目立つケースが見られた。天体撮影においては、光を最大限に取り込むことが重要だが、S25 Ultraのナイトモードでは光の取り込み量が不安定で、露出の調整が難しい。
こうした問題から、ナイトモードの使用は万能ではなく、特定の条件下では逆効果となる可能性がある。特に、精密な天体写真を求める場合には、ナイトモードよりもマニュアル操作が可能なプロモードを活用するほうが適しているかもしれない。今後のアップデートで、さらなる最適化が期待されるが、現時点ではGalaxy S25 Ultraのナイトモードには改善の余地があると言えそうだ。
Galaxy S25 Ultraのプロモードは天体撮影に適しているのか
Galaxy S25 Ultraには「プロモード」が搭載されており、30秒までの長時間露光を設定できる。この機能を使えば、より多くの光を取り込み、ディテールを細かく表現できるはずだ。しかし、実際に天体撮影で使用すると、必ずしも理想的な結果が得られるわけではなかった。
まず、プロモードではISO感度やシャッタースピードを細かく調整できるものの、完全なマニュアル設定が必要になる。そのため、初心者にとっては適切な設定を見つけるのが難しく、試行錯誤が必要となる。また、スマートフォンのセンサーサイズの限界もあり、暗所でのノイズを完全に排除することは難しい。さらに、わずかな手ブレや風の影響でも写真がぼやけるため、三脚の使用が必須となる。
ナイトモードと比較すると、プロモードは画像の処理を最小限に抑えるため、アーティファクトの発生は少ない。しかし、その分、適切な設定を見つけるのに時間がかかる点や、撮影の難易度が上がる点は注意が必要だ。天体写真を本格的に楽しみたい場合は、Galaxy S25 Ultra単体ではなく、専用のアダプターや外部レンズの使用を検討するのも一つの手かもしれない。
月や星雲の撮影ではどこまで迫れるのか
Galaxy S25 Ultraのカメラは、1倍から最大100倍のスペースズームを備えている。このズーム機能を活かせば、月や遠くの星雲をより詳細に撮影できる可能性がある。しかし、実際に撮影してみると、その結果は期待を大きく下回るものだった。
まず、月の撮影では、1倍ズームのメインカメラを使用すると露出オーバーになり、月の表面が真っ白に飛んでしまう。3倍や5倍の光学ズームを活用しても、白飛びを完全に防ぐことはできず、適正な露出を見つけるのが難しかった。30倍ズームまで引き上げると、ようやくクレーターのディテールが少し見えてくるが、専用の望遠カメラと比べると解像感は明らかに劣っていた。
また、オリオン大星雲の撮影では、3倍や5倍ズームの状態で長時間露光を試みたが、わずかな手ブレによって星の形が崩れてしまった。さらに10倍ズームを使っても、細部のディテールは潰れてしまい、肉眼で見たほうが美しいと感じるほどだった。これらの結果から、Galaxy S25 Ultraのズーム機能は日常の撮影には便利だが、天体写真には限界があると言える。
専用の天体望遠鏡と比べると、スマートフォンのカメラが持つ光学性能の限界が明らかになった。今後のアップデートやハードウェアの進化によって改善される可能性はあるものの、本格的な天体撮影を求めるなら、スマートフォンではなく専用機材を検討したほうが良さそうだ。
Source:Tom’s Guide