Googleの最新ワイヤレスイヤホン、Pixel Buds Pro 2は、Bluetooth LE Audio標準に基づく「Auracast」対応が確認された。この技術により、他のBluetoothデバイスから発信されたオーディオストリームを共有し、複数のデバイスで同時に音楽や音声を楽しむことが可能となる。

これにより、同じメーカーに依存することなく、様々なデバイス間で音声を共有することができ、従来の制限を打ち破る技術となる。

しかしながら、GoogleはまだPixelシリーズのスマートフォンにこの機能を正式に導入していないため、今後のアップデートが期待される。

Pixel Buds Pro 2の進化と新機能

Googleが新たに発売したPixel Buds Pro 2は、前作から大幅に進化したモデルである。特に快適性の向上とバッテリー寿命の改善が目立ち、長時間の使用でも疲れにくい設計となっている。また、Gemini Live機能や「Find My Device」との連携機能が追加され、ユーザー体験が向上した。

加えて、今回注目すべきはBluetooth LE Audioへの対応である。これにより、従来のBluetoothオーディオの制限を超え、より高品質で低遅延な音声伝送が可能となった。この技術は、特にワイヤレスオーディオの分野で大きな革新をもたらすだろう。

さらに、Pixel Buds Pro 2は防水性能も備えており、スポーツや雨天時の使用にも安心できる。これらの機能により、Pixel Buds Pro 2は単なるイヤホン以上の、日常生活において欠かせないデバイスとなりつつある。

Bluetooth LE AudioとAuracastの仕組み

Bluetooth LE Audioは、従来のBluetooth Classic Audioに代わる新しい標準技術である。特に注目すべきは、音声を複数のデバイスに同時に送信できる「Auracast」機能である。この技術により、1つのデバイスからのオーディオを、複数のイヤホンやスピーカーで同時に再生できる。

これまでは、SamsungやAppleなど一部のメーカーが独自のBluetoothスタックを用いて、複数デバイスへの音声共有を実現していたが、同じメーカー製品に依存するという問題があった。Auracastはこの問題を解決し、異なるブランドのデバイス間でもスムーズに音声共有が可能となる。

この仕組みは、Bluetooth LE Audioが低消費電力である点を活かしており、長時間の使用でもバッテリーに負担をかけにくい。オーディオ共有の未来を切り開くこの技術は、今後ますます広がっていくだろう。

Android 15の隠されたオーディオ共有機能

Android 15には、AuracastによるBluetoothオーディオ共有機能が隠されていることが確認された。この機能は、現時点ではユーザーに開放されていないが、Pixel 8シリーズやPixel 9シリーズで利用可能になる予定である。Googleがこの機能を非公開にしている理由は、これまでAuracast対応のヘッドセットを正式に販売していなかったためと考えられる。

Android 15のソフトウェア内部には、Auracastストリームに接続するためのインターフェースが存在しており、Pixel Buds Pro 2など対応するデバイスがあれば、この機能を試すことができる。筆者自身もPixel 8 ProとPixel Buds Pro 2を使って、この機能をテストしたところ、問題なく動作することが確認できた。

今後、Googleがアップデートを通じてこの隠れた機能を正式に公開することで、さらに多くのユーザーが手軽にBluetoothオーディオ共有を楽しめる日が来るだろう。

今後のアップデートに期待される展開

Googleは現在、Auracast対応のPixel Buds Pro 2を販売しているが、実際にAuracast機能がPixelシリーズのスマートフォンで利用できるのは、今後のアップデート次第である。Googleがこの機能を正式に導入すれば、Pixelユーザーは複数のBluetoothデバイスで同時に音声を共有することが可能になる。

一方で、現時点ではAuracast機能を利用するためには、Android 15の隠れたインターフェースを手動で有効化する必要があり、一般ユーザーにとってはまだ手の届きにくい状況である。だが、今後のアップデートにより、設定画面から簡単にアクセスできるようになることが期待されている。

この機能が正式にリリースされた際には、オーディオストリーミングの新たな標準として、様々な場面での活用が考えられる。Googleの次なる一手に、多くのユーザーが注目している。