AppleのAirTagは、長らくiPhoneユーザーの特権とされてきた。しかし、Androidにも遂にそれに匹敵する強力なトラッカーが登場した。それが、スロベニアのテック企業Chipoloが開発した「Chipolo One」と「Chipolo Card」である。これらはGoogleのFind My Deviceネットワークに対応し、紛失物の捜索に高精度を誇る。

Android向けの新たな「探し物タグ」:Chipoloとは

AppleのAirTagが登場した際、Androidユーザーはその便利さに羨望の眼差しを向けた。しかし、Android向けの強力なトラッカーがスロベニアのテック企業Chipoloから提供され、状況は変わりつつある。Chipoloは「探し物タグ」として10年以上の経験を持ち、Android向けに「Chipolo One」と「Chipolo Card」という2つの製品を展開している。これらはGoogleのFind My Deviceネットワークに完全対応しており、Androidユーザーも手軽に紛失物を追跡できるようになった。

Chipolo Oneは主に鍵やバッグなどにつけるキーホルダー型のタグで、耐水性能も備え、IPX5の基準を満たしている。小型で持ち運びやすく、ユーザーが自分でバッテリーを交換できるため、長期間の使用にも耐える設計だ。対して、Chipolo Cardはクレジットカードサイズの薄型タグで、財布やパスケースに最適だが、こちらはバッテリー交換ができない。ただし、薄さを重視する場面では非常に有用なアイテムとなっている。

Chipolo OneとCardの特徴と違い

Chipolo OneとChipolo Cardは、それぞれ異なる用途に最適化されている。Chipolo Oneは直径37.9mm、厚さ6.4mmとコンパクトで、キーホルダーやペットの首輪、自転車など、さまざまなものに取り付けが可能である。IPX5規格に準拠しており、日常の水しぶきや雨にも耐える耐水性能を持つ。ユーザー交換可能なCR2032リチウム電池を搭載し、電池の寿命は約1年とされているため、長く使える点も特徴だ。

一方、Chipolo Cardはさらに薄型で、厚さわずか2.4mm。クレジットカードの3倍程度の厚さであり、財布やパスケースにぴったり収まる。カードタイプのため、バッテリーは交換できないものの、約2年間の使用が可能だ。バッテリー交換ができない点はデメリットだが、登録ユーザーには2年後に50%割引で新しいタグを購入できるサービスが提供され、古いタグは無料でリサイクルされるため、環境にも配慮された設計となっている。

AirTagに匹敵する高精度:使い勝手を実際に検証

Chipolo OneとCardは、AirTagに匹敵する高精度を誇る。最大60メートルの範囲で音を鳴らす機能があり、105dBの大音量スピーカーを搭載しているため、騒がしい環境でもタグを見つけやすい。これらのトラッカーは、GoogleのFind My Deviceネットワークに対応しているため、Androidユーザーが紛失物を簡単に追跡できる。

実際にChipoloを使って検証した結果、紛失物の位置特定は非常に正確であった。例えば、路上に置かれた植木鉢の中やソファの奥に隠した場合でも、すぐに場所を特定できた。また、これらのタグはセットアップが非常に簡単で、タグを押すだけでプロセスが始まり、Google Find My Deviceアプリにすぐに登録できる。これにより、普段から物をなくしやすいユーザーにとっては大変便利なデバイスとなるだろう。

価格と購入のポイント、環境への配慮も

Chipolo OneとCardの価格設定は、手頃であると言える。Chipolo Oneは28ドル、Chipolo Cardは35ドルで販売されており、手軽に購入できる。特に、Androidユーザーが長らくAirTagを羨んでいた状況を考えれば、この価格で提供されることは非常に魅力的だ。さらに、両製品はGoogle Find My Deviceネットワークとの連携が可能で、Androidデバイスを利用するユーザーにとって最適な選択肢となっている。

加えて、Chipoloは環境にも配慮している。Chipolo Cardはバッテリー交換ができない代わりに、購入から2年後に50%の割引で新しいタグを購入できるキャンペーンを行っている。また、古いタグは無料でリサイクルに出せるため、使用後の廃棄に関しても環境への負荷が低い。これらの要素は、ただ便利なだけでなく、サステナビリティを考慮した選択を求める消費者にとって大きなポイントである。