Googleの最新スマートフォン、Pixel 9が登場した。

AI機能が至るところに搭載され、デザインは洗練され、バッテリー持ちも優秀だ。

レビューでは、そのカメラ性能やAIツール、そして日常の使用感に注目した。

大幅なデザイン変更と高級感

Pixel 9のデザインは、これまでのモデルから大きく進化している。従来のPixelシリーズで特徴的だったカメラバーが廃止され、新たに楕円形のカメラモジュールが採用された。背面のカメラユニットがスマートフォン全体を横切るデザインから変更されたことで、より洗練された印象を与えるが、一部のユーザーには個性が薄れたと感じるかもしれない。

Pixel 9の外観は、角が丸みを帯びた滑らかなボディラインと高品質なVictusガラスを特徴としている。また、IP68の防水防塵性能を備え、日常の使用における耐久性も高い。特に、黒い「Obsidian Glass」モデルの光沢感は上品であり、背面にはGoogleの「G」ロゴが目立つ。カメラモジュールがやや出っ張っているため、平らな場所に置いた際に本体が少し傾くのは気になる点だ。

全体として、Pixel 9のデザインは高級感があり、モダンなスマートフォン市場においても一線を画す存在である。ただし、カメラの配置やバランスに対して、好みが分かれる可能性もある。

120Hz OLEDディスプレイと迫力のステレオサウンド

Pixel 9には120Hzのリフレッシュレートを誇るOLEDディスプレイが搭載されている。画面サイズは6.3インチで、HDR10に対応し、最大輝度は2700ニットに達するため、屋外での視認性も非常に優れている。解像度はフルHD(1080p)で、色彩の鮮やかさや精細度は十分だが、サムスンのディスプレイほどの深みは感じられない。

また、ディスプレイの上部中央にパンチホール式のフロントカメラが配置され、耳元のスピーカーが隠されている。この設計により、画面占有率が非常に高く、ほぼ全面ディスプレイの印象を与える。音響面では、ディスプレイ上部の隠れたスピーカーと底部にあるスピーカーによって、迫力あるステレオサウンドを実現している。

Netflixなどの動画視聴や音楽再生においては、音質がクリアで音量も十分であるため、外出先でも問題なく楽しめる。ディスプレイとサウンドの両方で、エンターテインメントに適したデバイスと言える。

AIが進化させたカメラ性能

Pixel 9のカメラは、デュアルレンズ構成ながらGoogleのコンピュテーショナルフォトグラフィー技術によって圧倒的な性能を発揮している。50MPのメインセンサーと48MPの超広角レンズが組み合わされており、特にAIを駆使した撮影が他のスマートフォンとは一線を画している。明るい場所から暗い環境まで、さまざまなシーンで優れた写真を撮影できる。

特に、逆光での撮影や夜景モードにおいては、他のスマホでは難しいような条件下でも、ピクセル9は自然で鮮やかな画像を生成する。AIによる被写体の自動補正や不要なオブジェクトの削除など、編集機能も充実しており、撮影後の作業が簡単かつ効率的に行える点も魅力である。

また、AI機能を活用して動画の背景ノイズを自動で軽減することも可能で、クリアな音声が強調される。Pixel 9は、まさに次世代のスマートフォンとして、AI技術を最大限に活用したカメラ体験を提供している。

バッテリー持ちと日常使用でのパフォーマンス

Pixel 9は4,700mAhのバッテリーを搭載しており、通常使用では2日間、バッテリーセーバーモードを使用すれば最大3日間持続する。急速充電にも対応しており、PD 3.0を使用することで30分で55%まで充電可能だ。また、15Wのワイヤレス充電や12WのQi互換スタンドにも対応している。

性能面では、Tensor G4チップを搭載しており、日常使用での動作は非常にスムーズだ。多くのアプリを同時に開いてもストレスなく動作し、Android 14の最新OSと共に、AIが強化されたアシスタント機能「Gemini」なども搭載されている。

一方で、ベンチマークテストでは、ゲーム性能において他のハイエンド機種には劣る結果となっている。Pixel 9は、ゲーム向けデバイスではなく、AI機能を駆使した日常の生産性やコンテンツ制作に最適化されたスマートフォンであると言える。