Googleは、Pixelデバイスに向けたAndroid 15安定版の配信を開始した。

Android 15 Beta 4.2を利用していたユーザーにとっては、待望のアップデートであり、約2か月間のテスト期間を経て正式な安定版が提供された。

今回のアップデートは、200MB程度の軽量なOTAアップデートとして配信されており、Pixelユーザーに新たな体験を提供する。

Android 15 Beta 4.2からの進化と安定版配信

Android 15の安定版がGoogle Pixelデバイスに配信された。Beta 4.2から進化した点として、これまでテストされてきた様々な新機能が安定版に反映されたことが挙げられる。Beta版は、2024年8月に最後の更新が行われており、当時のセキュリティパッチも含まれていた。しかし、正式版として提供されたこのバージョンでは、さらなる改善が加えられ、より安定したパフォーマンスを実現している。

安定版のリリースにより、Beta 4.2ユーザーはようやく正式なAndroid 15の体験を手に入れることができる。Googleは、これまでBetaテストに参加していたユーザーに対し、Android Beta Programからオプトアウトすることを推奨していたが、その待ち時間は約2か月にも及んだ。しかし、その忍耐は報われ、今後のQPR(Quarterly Platform Release)ベータ版への参加を避けたいユーザーにとって、正式版アップデートの適用は非常に重要なステップとなっている。

今回の安定版はOTA(Over-the-Air)で提供され、200MB程度と比較的小規模である。Android 14からのアップデートは1GB以上だったことを考えると、軽量である点も特徴的である。

一部機能の削除、何がなくなったのか

安定版への移行に伴い、Beta 4.2でテストされていた一部の機能が削除された。特に目立つのは、デバイス診断機能やアダプティブ・タイムアウト機能が最終版に含まれなかった点である。これらの機能は、Betaテスト中にユーザーから一定の評価を得ていたものの、正式版では削除されることとなった。

デバイス診断機能は、ハードウェアやソフトウェアの不具合を検出するために便利なツールであり、テスト期間中はユーザーの間で広く利用されていた。しかし、安定版ではこの機能が見送られたため、正式リリース後に期待していたユーザーにはやや残念な結果となった。アダプティブ・タイムアウト機能も同様で、ユーザーの操作状況に応じて画面が自動的にオフになる便利な機能だったが、これも正式版には含まれていない。

このように、一部機能の削除はあったものの、安定版は全体的に高いパフォーマンスを維持しており、他の多くの機能は正常に動作している。最終的な製品として提供される以上、開発側は安定性を優先し、一部の機能を削除する判断をしたと考えられる。

Android 15 QPR1の現状と今後の見通し

Android 15の安定版がリリースされた一方で、QPR1(Quarterly Platform Release 1)のベータ版はまだ進行中である。QPR1は四半期ごとに提供される更新プログラムであり、主に既存の機能の改善や新たなバグ修正が含まれる。9月にリリースされたBeta 2ではいくつかの問題が報告されており、特にスクリーンショットが正しく保存されない問題やロック画面でのショートカットの不具合、アプリがロック画面上で閉じられない問題などがユーザーから指摘されている。

Googleはこれらの問題に対応するため、今後さらにBeta 2.1やBeta 3といった小規模な更新を行うと予測されている。正式なQPR1のリリースは2024年12月に予定されており、それまでにこれらのバグが修正される見込みである。

現時点では、QPR1のベータ版に参加しているユーザーは引き続き最新のバージョンにアップデートし、問題解決が進むのを待つ必要がある。また、QPR1には新機能の追加も期待されており、次の更新でどのような改善が施されるかにも注目が集まっている。

アップデート適用方法と留意点

Android 15安定版のアップデートはOTA(Over-the-Air)で提供されており、比較的簡単に適用できる。特にBeta 4.2ユーザーに対しては、すぐに通知が届くため、アップデートボタンを押すだけでインストールが完了する。しかし、安定版へのアップデートを行う前に、いくつかの点に留意する必要がある。

まず、Beta版を継続利用したい場合は、QPR1ベータ版への参加を選択することが推奨される。安定版にアップデートしてしまうと、QPR1のベータテストには参加できなくなるため、注意が必要だ。さらに、アップデート後には削除された機能が存在するため、特定の機能に依存していたユーザーはその点を理解しておくべきである。

アップデートの容量は200MB程度と小規模であるため、Wi-Fi環境下でのダウンロードを推奨する。ダウンロードが完了した後は、自動的にインストールが行われ、デバイスが再起動する。アップデート中にバッテリー切れを防ぐため、事前に十分な充電を行うことが重要である。