Samsungの新型ノートPC「Galaxy Book5 Pro」が登場しました。鮮やかな3K AMOLEDタッチスクリーンと、大型タッチパッドを搭載し、直感的な操作が可能になっています。また、Intelの最新Lunar Lakeチップセットを採用し、パフォーマンスが向上。ベンチマークテストでは前モデルを上回るスコアを記録し、動画編集やマルチタスク作業でも快適に動作しました。

バッテリーは最大15.5時間持続し、長時間の作業にも対応。キーボードの感触には改善の余地があるものの、トラックパッドが大きく操作性が向上しています。さらに、SamsungのGalaxy AIエコシステムを統合し、AIによる画像補正や検索機能も搭載。予約注文は1,349ドルからで、2月14日に出荷が開始されます。

Galaxy Book5 Proの処理性能はどこまで進化したのか

Galaxy Book5 Proに搭載されたIntelのLunar Lakeチップセットは、前世代と比べて大幅に処理能力が向上しています。

ベンチマークテストでは、前モデルのGalaxy Book5 Pro 360を上回る結果が出ており、特にマルチタスクやクリエイティブ作業においてその実力が発揮されました。例えば、Cinebench R23のマルチコアスコアでは約1,800ポイントの差を記録し、動画編集や3Dレンダリングの処理速度が向上していることが確認できます。

一方で、3DMarkのスコアではわずかに前モデルを下回る結果が出ています。これは、GPU性能が若干抑えられた影響によるものと考えられます。

そのため、ゲーム用途よりも、オフィスワークやコンテンツ制作向けに最適化されている可能性が高いです。とはいえ、50以上のChromeタブを開きながら動画再生やアプリのダウンロードを並行して行ってもスムーズに動作するため、日常的な使用では十分なパフォーマンスを発揮します。

さらに、Galaxy Book5 Proはバッテリー駆動時間が最大15.5時間と、長時間の使用に対応している点も魅力です。一般的なノートPCのバッテリー持続時間が約10時間前後であることを考えると、電源の確保が難しい環境でも安心して作業ができるのは大きな利点です。特に、電車やカフェで作業することが多い人にとって、この長時間バッテリーは快適な使用体験をもたらすでしょう。


3K AMOLEDタッチスクリーンの実力とは

Galaxy Book5 Proの大きな特徴のひとつが、16インチの3K AMOLEDタッチスクリーンです。このディスプレイは2880×1800の高解像度を誇り、DCI-P3の色域を120%カバーすることで、圧倒的な色鮮やかさを実現しています。また、リフレッシュレートが120Hzに対応しているため、スクロールや動画視聴時の滑らかさも格段に向上しました。

特に、このディスプレイの恩恵を受けるのは、写真編集やデザイン作業を行うユーザーです。AMOLEDの特性上、コントラスト比が高く、黒の再現が優れているため、細部までくっきりと表示されます。例えば、動画編集では暗部と明部の境界がはっきりと区別でき、編集の精度が向上するでしょう。また、映画やドラマを楽しむ際にも、HDRコンテンツの鮮やかさが際立ち、映像体験が向上します。

一方で、タッチスクリーンの反応速度や精度にも改良が加えられているため、指やスタイラスペンを使った直感的な操作が可能です。

ただし、スタイラスペンの利用を前提とした「Sペン」の専用スロットは搭載されていないため、タブレットのように頻繁にペン入力を行いたい場合は、別途アクセサリを用意する必要があります。とはいえ、タッチ操作による拡大縮小やスクロールがスムーズに行えるため、日常的な使用においては十分な操作性を持っています。


デザインと使い勝手の細かい改善点

Galaxy Book5 Proのデザインは、前モデルのGalaxy Book5 Pro 360と非常に似ていますが、細かい部分で改良が施されています。最大の違いは、360度回転ヒンジが廃止され、従来型のクラムシェルデザインに統一されたことです。これにより、タブレットモードとしての使い勝手はなくなったものの、ノートPCとしての安定感が向上しました。

キーボードの配置やトラックパッドのサイズも見直されており、特にトラックパッドは本体の下半分の約50%を占める大型仕様になっています。これにより、ジェスチャー操作の快適さが増し、スワイプやスクロールがスムーズになりました。

しかし、キーボードの打鍵感については賛否が分かれるかもしれません。キーの感触は柔らかめで、もう少ししっかりとした打鍵感を求めるユーザーには、外付けキーボードを併用する選択肢もあります。

また、**本体の重量は約1.56kg(3.44ポンド)**と、16インチクラスのノートPCとしては比較的軽量です。これにより、カバンに入れて持ち運ぶ際の負担が軽減されます。ただし、USBポートの数は最小限に抑えられているため、複数の周辺機器を接続したい場合はUSBハブを活用する必要があるでしょう。

放熱設計についても改良が見られます。排気口は本体の底面に配置されているものの、Lunar Lakeチップセットの省電力性能と組み合わせることで、負荷の高い作業をしても本体が極端に熱くなることはありません。実際に長時間使用しても膝の上で快適に作業ができる設計になっており、排熱が上手く機能していることがわかります。

このように、Galaxy Book5 Proは細部まで考慮されたデザインと使い勝手の改良が施されており、前モデルを踏襲しながらも、より快適な操作環境を提供するノートPCとなっています。

Source:ZDNET