iPhone 16の登場により、AppleのAI機能への期待が高まっているが、実際のリリースはまだ先になる。しかし、AndroidのPixelデバイスに搭載されたAI機能をiPhoneでも利用できるワークアラウンドが存在する。Google LensやGeminiといったGoogleのサービスを活用すれば、Appleの公式AIアップデートを待つことなく、iPhoneでも高いAI機能を体験できるのだ。この記事では、その具体的な設定方法を紹介する。

Circle to Search機能をiPhoneで再現する方法

Pixelデバイスには「Circle to Search」という機能が搭載されており、画面上のテキストや画像の内容を即座に検索できるが、iPhoneでもこの機能を再現することが可能である。iPhoneの「ショートカット」アプリとGoogleアプリを利用し、手動で設定を行うことで、この便利な機能を利用できるようになる。

まず、Googleアプリをインストールする必要がある。このアプリにはGoogle Lens機能が組み込まれており、画像内のテキストを認識して検索することができる。次に、「ショートカット」アプリを使って、スクリーンショットを自動的にGoogle Lensに渡すショートカットを作成する。このショートカットを「アクションボタン」に割り当てることで、画面上の任意の内容を瞬時に検索できるようになる。

iOS 18以降では、カスタマイズ可能な「コントロールセンター」にショートカットを追加することもでき、これにより「アクションボタン」を搭載していないiPhoneでも簡単に利用可能になる。この方法により、PixelのAI機能をiPhone上でも再現することができるのだ。

Google Lensによる視覚的インテリジェンスの活用

iPhone 16の発表で話題となった「Visual Intelligence」機能は、画像や音声を解析して即座に情報を提供するマルチモーダルなAI技術である。しかし、この機能のリリースはまだ先であり、すぐには利用できない。しかし、Google Lensを使えば、同様の機能をiPhone上で実現することが可能である。

Google Lensは、画像内のオブジェクトを認識し、動物や植物の名前を調べたり、QRコードをスキャンしたり、リアルタイムでテキストを翻訳したりと、多彩な用途に対応している。特にiPhoneの「バックタップ」機能を利用すれば、iPhoneの背面をダブルタップまたはトリプルタップするだけでGoogle Lensを簡単に起動できる。

バックタップ機能を設定するには、まず「ショートカット」アプリでGoogle Lensを起動するショートカットを作成し、それを「アクセシビリティ設定」内の「タッチ」メニューでバックタップに割り当てる。これにより、すぐにGoogle Lensを起動して、画像やオブジェクトの情報を瞬時に取得できる環境を整えることができる。

Geminiを使ったAIとのチャット体験

Pixelデバイスに標準搭載されているAIチャット機能「Gemini」は、ユーザーが手軽にAIと会話し、情報を得ることができる画期的なツールである。iPhoneでもこの機能を再現することが可能で、Appleの正式なAIアップデートを待つ必要はない。ショートカットを活用すれば、iPhoneで簡単にGeminiとの会話を楽しむことができる。

まず、「ショートカット」アプリで新しいショートカットを作成し、「Open URLs」アクションを選択する。このアクションに「googleapp://robin」というURLを入力することで、Googleアプリ内でGeminiを直接起動できるようになる。ショートカットには「Gemini」という名前を付け、トリプルバックタップやコントロールセンター、ホーム画面のアイコン、アクションボタンに割り当てておくと便利である。

これにより、PixelのGeminiと同じように、iPhoneでもAIとの自然な会話を楽しむことが可能になる。Appleの公式なAI統合を待つことなく、すでに存在するGoogleの技術を利用して、iPhone上で最新のAI体験を先取りすることができるのだ。

Androidの「ワークプロファイル」をiPhoneで再現する方法

Androidデバイスには「ワークプロファイル」という便利な機能があり、仕事用と個人用のアプリやデータを分けて管理することができる。iPhoneではこの機能が提供されていないが、いくつかの工夫をすれば、同様の体験を得ることができる。

まず、仕事用と個人用で異なるアプリを使用するのが基本である。たとえば、個人のメールはGmailアプリ、仕事用のメールはApple Mailアプリを使うといった具合である。また、Googleカレンダーを個人用、Appleカレンダーを仕事用に設定することで、アカウントを明確に分けることができる。

これらのアプリをそれぞれの目的に合わせて設定したら、iPhoneの「ホーム画面」でページを分け、仕事用のアプリやウィジェットを専用のページに配置する。次に、「集中モード」を活用し、仕事中は個人のアプリや通知をオフにする「ワークモード」、仕事外では逆に仕事の通知をオフにする「オフモード」を設定する。これにより、iPhoneでもAndroidの「ワークプロファイル」に近い環境を実現することができる。