世界最大の技術展示会「CES 2025」がラスベガスで開催され、新時代のガジェットが続々と披露された。今年の展示会では、ゲーム用ハンドヘルドドックや次世代スマートフォン、超高性能モバイルバッテリーなど、未来を感じさせる製品が目白押しであった。

中でもRazerの「Handheld Dock Chroma」はアルミ製ボディとRGBライティングを特徴に、TCLの「60 XE Nxtpaper 5G」はE Ink風ディスプレイと長時間バッテリーが注目を集めた。また、Ankerの「25K 165W Power Bank」はモバイルバッテリーの新境地を切り開き、ポータブル性と高出力を両立させている。

さらには、折りたたみ式アーム搭載のロボット掃除機や、指紋と静脈認証を組み合わせた革新的なスマートロックなども登場し、2025年を象徴する技術の進化が感じられる内容となった。

Razer Handheld Dock Chromaが切り開くゲームドックの新境地

Razerの「Handheld Dock Chroma」は、単なるハンドヘルドゲームドックの枠を超えた製品である。USB-Aポート3つ、USB-C PDポート1つ、HDMI 2.0出力、イーサネットポート、100Wのパワーパススルーなど、標準的な機能を備える一方で、Razerらしいプレミアムなデザインが光る。

特に、完全アルミニウム製の筐体とRGBライティングは、外見からもプロダクトの質の高さを印象付ける。背面プレートの調整機能は、持ち運び時の利便性と、使用時の安定性を両立している。

この製品は、Steam Deckの公式ドックと同価格帯の80ドルでありながら、より多機能で実用的だと言える。特に、長時間の飛行中でも快適に使用できるよう工夫された設計は、ポータブルゲーミングデバイスの真価を引き出す。

これにより、ゲーム愛好家にとって新たな選択肢となるだろう。一方で、Razer製品として期待される「付加価値」に対して、実際にどこまでゲーム体験を向上させるかは、発売後の評価に委ねられる。

このドックは、単なるアクセサリにとどまらず、モバイルゲーミングの可能性を広げる製品として注目されるべき存在である。

TCL 60 XE Nxtpaper 5GがE Ink市場に挑む理由

TCLの「60 XE Nxtpaper 5G」は、E Inkディスプレイ市場に新風を吹き込む可能性を秘めたスマートフォンである。反射防止ディスプレイを搭載し、「Max Ink Mode」を有効化することで、通知やシステムプロセスを停止し、画面の色を抜いた状態での長時間使用が可能になる。これにより、1回の充電で1週間のバッテリー寿命を実現する点が際立っている。

また、このデバイスの特徴は価格帯にも表れている。TCLのスマートフォンは競合製品と比べて手頃な価格であるため、読書や軽作業に適したポケットサイズのデバイスとしてニッチな需要を捉える可能性が高い。ただし、OnePlus 13などのハイエンドモデルと競合する仕様ではなく、あくまで特定用途向けに最適化された製品と言える。

TCLが北米市場でこのモデルを展開する背景には、スマートフォンが多機能化する中で、あえてシンプルさと効率を追求した戦略がうかがえる。大手企業が革新を追求する中、こうした製品が市場にどのような影響を与えるかは、非常に興味深いポイントである。

Anker 25K 165W Power Bankが描くモバイル充電の未来

Ankerの「25K 165W Power Bank」は、モバイルバッテリーの枠を超えた革新的な製品として注目される。25,000mAhという大容量と165Wの高出力により、スマートフォンからノートPC、さらにはSteam Deckのようなポータブルゲーミングデバイスまで幅広く対応できる点が最大の魅力である。USB-Cケーブルが内蔵されており、1本はリトラクタブル、もう1本はリストストラップとしても使える設計が実用的だ。

さらに、残量をリアルタイムで表示するディスプレイを備え、コンパクトなサイズ感は持ち運びの負担を軽減する。旅行や出張時に必要な充電ニーズを一つのデバイスで解決できる点は、他のモバイルバッテリーにはない強みと言える。

この製品は、高性能なモバイルバッテリーの象徴ともいえる存在だが、価格やバッテリー寿命に対するユーザーの期待がどのように反映されるかが鍵となる。Ankerの公式発表によれば、今後のモバイル充電技術のスタンダードを確立する可能性を秘めている。